SP31 細菌性肺炎
- 肺の病気
病態と定義
末梢気道および肺胞領域の細菌感染である。基礎疾患に伴って生じることが多いが、幼若動物では原発性感染も多い。炎症性滲出液の貯留と炎症性浮腫のために血液ガス境界が肥厚し、様々な程度の肺機能障害を生じる(総論 図9E参照)。炎症により硬化した肺領域では理論上では低酸素性肺血管収縮(Hypoxic pulmonary vasoconstriction: HPV)が生じて血液の流入を制限するが、実際には炎症による血管拡張作用がこれに勝るために肺内シャントが形成され、換気血流比不均等が生じ低酸素血症を生む1。