犬・猫の呼吸器病

SP32 真菌性肺炎

  • 肺の病気

病態と定義

真菌性肺炎は真菌の肺実質への感染によって起こる感染性肺炎である。真菌性肺炎は病原性真菌の感染が原因となる場合(原発性真菌症)と宿主側の感染防御能が低下している場合に日和見病原性真菌が原因となる場合がある(表1)(続発性真菌症)1。原発性真菌症は人獣共通感染症であり公衆衛生上でも重要な疾患である。症状は不顕性もあれば急性経過や慢性経過もあり様々である2-5。現在、真菌に対する臨床症状は暴露を受けた時における免疫力により依存しており、低下していれば感染症として、逆に高いとアレルギーとしての兆候を示すと考えられている6(図1)。

 

表1 真菌性肺炎の分類。原発性真菌症にはヒストプラズマ症、ブラストミセス症、コクシジオイデス症、クリプトコックス症があり、犬と猫によって予後が異なる。続発性真菌症はいくつか報告されているが、ニューモシスチス症(カリニ肺炎)は以前は原生動物として認識されていたが、現在は酵母様真菌に分類されており真菌性肺炎を引き起こす。

 

図1 真菌感染症と真菌性アレルギーの関係。免疫反応の程度によって病像が異なると考えられている(日本大学 山谷吉樹先生よりご提供)。

会員登録のご案内

『犬・猫の呼吸器科臨床研究会』にご加入いただくと、会員限定コンテンツの閲覧や勉強会への参加など、下記の特典がご利用いただけます。

特典①

犬・猫の呼吸器勉強会の参加

隔月開催 / 参加費無料

特典②

年次大会への参加費割引

特典③

定期オンラインミーティングへの自由参加

毎週開催 / 症例相談など

特典④

会員限定コンテンツの閲覧

呼吸器疾患の解説、診療基準案、年次大会・勉強会アーカイブ、文献報告「症状からみる犬・猫の呼吸器」、検定試験合格への道

ページトップへ戻る