年次大会・勉強会の開催実績
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第22回 犬・猫の呼吸器勉強会 | 令和5年10月9日(月)21:00−23:00 会場:オンライン開催 | |
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1 呼吸器ミニ講義 | 犬の細菌性肺炎疑いに対する抗菌剤の慎重使用について −農水省発行「愛玩動物における抗菌薬の慎重使用の手引き2020」に対し、臨床医の正義はどこで守られるか?−(15分) | 城下幸仁(犬・猫の呼吸器科) |
2 研究班報告(LTBS班) | 犬・猫の気道異物について文献レビュー(45分) | 菅沼鉄平(ほさか動物病院) |
3 症例報告・臨床研究 | 軟性気管支鏡で摘出した気管内異物3例 (20分) | 城下幸仁(犬・猫の呼吸器科) |
第4回 年次大会2023 | 令和5年8月15日(火)9:00-17:00 会場:オンライン開催 | |
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Ⅰ 教育講演 | 気管支鏡の基本と実践、そして犬・猫の呼吸器科での方法と経験 | 演者:城下幸仁(犬・猫の呼吸器科) 座長:飯野亮太(いいのペットクリニック) |
気管支鏡は、気道・肺疾患の診断や気管支肺胞洗浄液(BALF)回収に用いたり、気道異物回収や気道内腫瘤の治療や気道ステント留置前後の管理などに用いたりします。今回は、気管支鏡に関心はあるがどのようなものかわからない、これから気管支鏡検査をはじめたい、気管支鏡検査を行なっているが情報を再確認したい方のために、気管支鏡を正しく有効に活用するために解剖の基礎から症例への適用や症例紹介など、以下の構成で入門編から応用まで全般的に講義します。 Ⅰ 基礎 「気道を診る」ための解剖と生理・気管支鏡検査における気管支命名法/適応と禁忌/機器、Ⅱ 文献にみる標準手技と治療への活用 気道確保、体位、麻酔法/気管支肺胞洗浄(BAL)/その他検体採取法/内視鏡下治療/合併症報告、Ⅲ 正常所見と異常所見、Ⅳ 犬・猫の呼吸器科の方法 ラリンジアルマスクを用いた喉頭および気管気管支鏡検査―小型犬や猫への安全性の向上と適応範囲の拡大を目指してー | ||
Ⅱ 招待講演 | 呼吸器の病理の要点 病理医から臨床医に伝えたいこと | 演者:三井一鬼 (岡山理科大学獣医学部形態学講座) 座長:山谷吉樹 (日本大学 獣医麻酔・呼吸器学研究室) |
犬と猫の呼吸器の疾患や病態の理解を深めるため、本講演では以下の項目を、肉眼および組織写真を多用して解説する。鼻腔:猫の鼻咽頭ポリープ、犬のアレルギー性鼻炎、犬の鼻腔アスペルギルス症、腺癌、嗅神経芽細胞腫、神経内分泌癌、鼻腔移行癌、軟骨肉腫、リンパ腫。喉頭・気管:犬の短頭種気道症候群、横紋筋腫。肺:肺葉捻転、無気肺、肺気腫、肺水腫、肺出血、肺血栓症・塞栓症、犬糸状虫症、肺高血圧症、気管支拡張(症)、各種肺腫瘍(動物と人の腫瘍分類の紹介)、動物と人の肺炎の考え方の違い、気管支肺炎、誤嚥性肺炎(吸引性肺炎)、間質性肺炎、び漫性肺胞傷害、閉塞性気管支炎、類脂質肺炎、犬ジステンパー、ニューモシスチス肺炎、さまざまな寄生虫症。 | ||
Ⅲ 症例報告・臨床研究 | 座長:上田一徳 (横浜山手犬猫医療センター) |
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1 | 犬の喉頭蓋に発生したポリープ状を呈する軟骨腫の1例 | 演者:平林雅和(オールペットクリニック) |
犬・猫の原発性喉頭腫瘍の発生は全腫瘍の0.02% と非常にまれな腫瘍であり、多くは悪性である。犬では扁平上皮癌が最も多く、次いでリンパ腫や軟骨肉腫がみられ、乳頭腫や形質細胞腫、炎症性ポリープや咽頭嚢胞なども報告されている。症例は12歳、去勢雄のポメラニアン。食欲不振、活動性低下を主訴に来院し、全身麻酔下に咽喉頭鏡検査にて喉頭蓋に遊動性のポリープ状腫瘤を認めたので、シーリングデバイスを用いその基部より外科切除した。術後速やかに臨床徴候は改善した。切除標本は病理組織検査にて軟骨腫と診断された。演者が調べる限り、これまで犬の喉頭蓋に発生した軟骨腫の報告はなく、とくにそれがポリープ状を呈したことに希少性を感じ、2名の病理診断医から興味あるセカンドオピニオンを得ることができた。今回、本症例における臨床所見、外科手技、転帰について病理所見を含めて報告する。 | ||
2 | 片側披裂軟骨側方化術実施後3ヶ月で喉頭内背側領域に未分化肉腫を呈した犬の1例 | 演者:山下智之 (上大岡キルシェ動物医療センター) |
喉頭麻痺は上気道閉塞を呈し、その典型徴候、犬種、年齢が特異的であるため、早期の診断、治療により良好な予後が期待できる。一方、喉頭腫瘍は同様の上気道閉塞徴候を呈すが、緩徐に進行するため、腫瘍が増大し、重度の呼吸困難を示す終末期で診断されることが多く、治療に難渋することが多い。症例は喉頭麻痺の非好発犬種であるウェストハイランド・ホワイト・テリア、15歳、去勢雄。急性の上気道閉塞を呈し緊急受診し、喉頭鏡検査にて後天性特発性喉頭麻痺と診断し、片側披裂軟骨側方化術を実施し、一時的に良好な経過を得た。その後、第105病日に喉頭内に腫瘤性病変を認め、喉頭切開下に減容積術を実施し、未分化肉腫と診断、化学療法を実施したが、第121病日に腫瘍による喉頭閉塞が再発したため、喉頭全摘出術を実施した。今回、本症例の経験を報告する。喉頭麻痺と喉頭腫瘍の関連性、および喉頭腫瘍の早期診断法について考察した。 | ||
Ⅲ 症例相談 | 症例相談回答担当—呼吸器:山谷吉樹(日大)、城下幸仁(犬・猫の呼吸器科);循環器:青木卓磨(麻布大);病理:三井一鬼(岡山理科大);画像診断:池田彬人(公益財団法人 日本小動物医療センター画像診断科・消化器科/東京大学附属動物医療センター画像診断部) | 座長:城下幸仁(犬・猫の呼吸器科) |
1 | 気管支拡張症および片側完全無気肺に対して右肺全摘術を実施したが術後経過が思わしくない猫の1例 | 演者:稲葉健一(名古屋みなみ動物病院・どうぶつ呼吸器クリニック) |
症例は雑種猫、初診時6ヶ月齢、雄。3ヶ月齢よりゴロゴロ音、湿性咳、膿性鼻汁、くしゃみを認め、内科療法に反応乏しく次第に食欲および活動性が低下し、当院に紹介受診した。X線検査にて前頭洞透過性低下、右肺野浸潤影/無気肺、右後肺野に吸気時拡張/呼気時虚脱を繰り返す嚢胞状気管支拡張を示し、第25病日の気管支鏡検査にて気道内に多量の粘液停滞、右肺後葉気管支の気管支拡張を認め、BALF解析にて急性好中球性炎症パターン、細菌培養陰性であった。1歳齢時に右肺全摘術実施。病理検査で活動性気管支肺炎であった。術後3日目以降に気道分泌物による気道閉塞にて呼吸困難あり、術後2ヶ月間で計6回の気管支鏡下で吸引を繰り返す必要があった。その後もQOL維持のために在宅ネブライザー療法、在宅でのIPV療法、呼吸理学療法、去痰剤やステロイド剤投与などによる対症療法を実施する必要があり、現在、第560病日経過中。本症例の診療方針について相談したい。 | ||
2 | 後天性心房中隔欠損による肺高血圧症に起因した失神と咳失神の鑑別に苦慮した犬の1例 | 演者:谷口哲也(兵庫ペット医療センター東灘病院、京都動物医療センター) |
症例はシー・ズー、避妊雌、13歳8ヶ月で慢性咳と失神を主訴に来院した。症例の基礎疾患として僧帽弁粘液腫様変性(MMVD)ACVIMステージC、左心房拡大による左主気管支の圧迫および心拡大・胸膜腔内容積制限効果による気管支軟化症があった。第1病日に心エコー検査で左房拡大に起因した心房中隔欠損(ASD)および三尖弁逆流を認めた。肺高血圧症(PH)による失神と判断しMMVDの治療を強化したが改善が見られず、第15病日にホルターECGで咳時に心静止が散見され、咳失神と診断した。本症例について以下の3点を議論できればと思う。1)後天性ASDの治療について。後天性ASDはMMVDによる左心不全の管理を容易にする可能性があると報告されているが詳細はない。2)鑑別すべき疾患を含めて咳失神の診断方法について。咳失神の診断方法は獣医療では確立されておらずホルターECGの情報も少ない。3)心拡大による慢性咳の治療について。循環器、呼吸器の視点から治療法を議論できればと思う。 | ||
3 | Filobacterium属により気管支間質性肺炎を示した猫の1例 | 演者:高田未夢 (麻布大学循環器・呼吸器科) |
症例は7歳2か月齢、避妊雌の雑種猫で、3年前に保護してから屋内で飼育している。2か月前から咳があり、近医にて胸部X線検査にて肺野の多発性結節性陰影が認められ、紹介医を受診した。気管支肺炎と臨床診断し、エンロフロキサシンで加療後、ステロイドを追加投与したところ咳と結節性陰影が消失した。しかしながら、休薬後に咳と肺野異常影が再発しため本学附属動物病院呼吸器科に紹介来院した。CT検査と気管支鏡検査からBacillus cereusによる気管支肺炎と診断し、エンロフロキサシン(55日間)とプレドニゾロンでさらに加療したが効果は部分的であった。そのことから、第117病日に試験的開胸で外科的肺生検を行った。その結果、Filbacterium属に起因する気管支間質性肺炎と診断されたため、ST合剤により加療したところ、肺野異常影は改善傾向にある。診断までに長期間を要したため、診断手順と治療法について相談させていただきたい。 |
第21回 犬・猫の呼吸器勉強会 | 令和5年6月12日(月)21:00−23:00 会場:オンライン開催 | |
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1 呼吸器ミニ講義 | 肺の肉眼的評価と正常組織像(15分) | 三井一鬼 (岡山理科大学獣医学部形態学講座) |
2 研究班報告(BAS班) | 短頭種気道症候群Update 2023(45分) | 飯野亮太(いいのペットクリニック) |
3 症例報告・臨床研究 | ||
1)画像検査で腫瘍と思われたが病理にて肺炎と診断された猫の1例 (20分) | 稲葉健一(名古屋みなみ動物病院・どうぶつ呼吸器クリニック) | |
2)咽頭粘液囊胞と診断した犬の4症例 (20分) | 布川智範(ぬのかわ犬猫病院) |
第20回 犬・猫の呼吸器勉強会 | 令和5年4月10日(月)21:00−23:00 会場:オンライン開催 | |
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1 呼吸器ミニ講義 | 咳と心臓病についてPart2 心臓喘息の治療(15分) | 青木卓磨(麻布大学 小動物外科学研究室 准教授) |
2 研究班報告(FDLD班) | 猫の特発性肺線維症に関する文献レビュー -それは果たしてIPFなのか-(45分) | 近藤絵里子(品川WAFどうぶつ病院) |
3 症例報告・臨床研究 | 1)エピネフリンのネブライザー療法と局所投与を人工呼吸管理中に加え救命し得た、急性呼吸困難を示したフレンチブルの1例(20分) | 平林雅和(オールペットクリニック) |
第19回 犬・猫の呼吸器勉強会 | 令和5年2月13日(月)21:00−23:00 会場:オンライン開催 | |
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1 呼吸器ミニ講義 | 咳と心臓病についてPart1(15分) | 青木卓磨(麻布大学 小動物外科学研究室 准教授) |
2 研究班報告(診療基準班) | 呼吸器超音波検査についての文献レビュー(45分) | 谷口哲也 (兵庫ペット医療センター東灘病院) |
3 症例報告・臨床研究 | ||
1)COPD治療配合剤ビレーズトリ®で良好な経過が得られた猫喘息の2例(20分) | 中森正也(乙訓どうぶつ病院、京都動物医療センター) | |
2)ノーリッチ・テリアの上気道閉塞に対し片側披裂軟骨側方化と両側楔状突起切除にて良好な転帰を示した1例(20分) | 城下幸仁(犬・猫の呼吸器科) |
第18回 犬・猫の呼吸器勉強会 | 令和4年12月12日(月)21:00−23:00 会場:オンライン開催 | |
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1 呼吸器総論 | 今回は講義なし | |
2 研究班報告(LTBS班) | BALF(気管支肺胞洗浄液)細胞診についての文献レビュー | 菅沼鉄平(ほさか動物病院) |
3 症例報告・臨床研究 | 片側披裂軟骨側方化術実施後3ヶ月で喉頭内背側領域に未分化肉腫を呈した犬の1例 | 山下智之 (上大岡キルシェ動物医療センター) |
第17回 犬・猫の呼吸器勉強会 | 令和4年10月10日(月)21:00−23:00 会場:オンライン開催 | |
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1 呼吸器総論 | ⽝・猫の呼吸器疾患へのアプローチⅢ ⾝体検査(視診、聴診、触診、打診):聴診の基本事項 | 城下幸仁(犬・猫の呼吸器科) |
2 研究班報告(BAS班) | ||
1)犬の睡眠時無呼吸に関する文献レビュー | 布川智範(ぬのかわ犬猫病院) | |
2)ヒト乳幼児の睡眠呼吸障害と動物への睡眠時呼吸モニターとしての新しい体動センサーの試み | 宗修平(浜松医科大学) | |
3 症例報告・臨床研究 | ||
犬の喉頭蓋に発生したポリープ状を呈する軟骨腫の1例 | 平林雅和(オールペットクリニック) | |
猫の特発性間質性肺炎の1例 | 城下幸仁(犬・猫の呼吸器科) |
第3回 年次大会2022 | 令和4年8月16日(火)9:00-17:00 会場:オンライン開催 | |
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Ⅰ 総論 | 体重管理、ネブライザー療法、在宅酸素療法、IPV療法の文献レビューと実践について | 演者:城下幸仁(犬・猫の呼吸器科) 座長:飯野亮太(いいのペットクリニック) |
日常何気なく行っている呼吸器症状に対する対症療法について、獣医学におけるエビデンスや研究会内議論歴や症例経験から、意義、適応と禁忌、方法を見直します。とくに、体重管理では肥満の定義・BCSとMCS・減量で呼吸器の何が変わるのか・何%の減量が有効か・肥満関連呼吸器疾患・死に関連する肥満、ネブライザー療法ではエアロゾル粒子径・気道到達率・配合する薬剤の要件・調合薬の配合変化/総量/濃度/至適pH・噴霧時間・ジェット式か超音波式か・ケージかフローバイか、在宅酸素療法では在宅用酸素ケージの特異性・Ⅱ型呼吸不全への適用時の注意・処方までの手順・適応症と生存期間、IPV (Intrapulmonary Percussive Ventilation;肺内パーカッション換気)療法では装置の仕組み・無気肺や粘液停滞を治療する機序・「未熟児から成人高齢者まで応用可能」の理由、に焦点を当てます。日頃行っている治療法を再検討してください。 | ||
Ⅱ 招待講演 | ステロイドの呼吸器に対する効果とは? 基礎から臨床医に伝えたいこと | 演者:折戸謙介 (麻布大学獣医学部生理学第二研究室) 座長:山谷吉樹 (日本大学 獣医麻酔・呼吸器学研究室) |
獣医療で最もよく使用されているステロイド(グルココルチコイド製剤)は、細胞膜を通過して細胞内で受容体複合体を形成、核内に移行し転写調節因子として様々な遺伝子発現を制御している。生成されるタンパクが生理作用を発揮するが、タンパク生成に要する時間は最短でも30分で、数時間から数日の場合もある。しかし、例えばアレルギーに対してステロイドが効果を発揮するのは数分以内である。この作用は、遺伝子発現制御とは一線を画する「ステロイドのnongenomic作用」である。気管支に対しては、アドレナリンやアドレナリンβ2作動薬の作用を増強する、いわゆる「ステロイドの許容作用」にて気管支平滑筋拡張作用を発揮する。本講義では、粘膜輸送能などの生体に対する作用を含め、ステロイドの呼吸器に関連する特徴的な薬理作用について話題提供する。 | ||
Ⅲ 症例報告・臨床研究 | 座長:上田一徳 (横浜山手犬猫医療センター) |
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1 | Filaroides属肺虫症により慢性咳と肺過膨張を呈した若齢犬の1例 | 演者:飯野亮太(いいのペットクリニック) |
1歳1ヵ月齢、雌のトイ・プードルが2ヵ月間持続する慢性の咳、呼吸困難により当院を受診した。胸部X線検査にて左全肺野の透過性亢進、横隔膜の平坦化、心臓の右側変位を認めたため先天性肺気腫を疑った。数日後、呼吸状態が悪化し両側性肺過膨張所見を呈した。内科療法にて呼吸状態および過膨張肺は改善されたため、左肺切除術を行い、病理組織検査にて広範囲の無気肺とともに肺胞管および肺実質内に複数の線虫が確認された。術後、駆虫薬投与を行い、咳は消失、呼吸状態も正常化した。無気肺の主な原因は肺虫による肺胞管閉塞によると思われたが、肺過膨張の明らかな原因は不明であり、細気管支への浸出物、末梢気道における寄生虫性肺炎の影響とともに気管支痙攣の関与も疑われた。通常、Filaroides属肺虫症は若齢動物に肺野浸潤影や間質影を伴い咳や呼吸困難を引き起こすが、肺過膨張を呈した稀な例を経験した。 | ||
2 | 猫の慢性鼻汁に対するネブライザー療法の効果 | 演者:中森正也 (乙訓どうぶつ病院、京都動物医療センター) |
背景:獣医学でネブライザー療法の効果を示した報告は少ない。目的:猫の慢性鼻汁にネブライザー療法の効果を評価する。デザイン:単施設前向き臨床研究。材料と方法:2020年から当施設にて猫で慢性鼻汁を呈し、内科治療による改善が少なくとも2ヶ月以上認められず、X線、透視、CTおよび内視鏡検査全てを行なった症例を収集した。ネブライザー療法は超音波式を用い生理食塩水20mlにゲンタマイシン0.5ml、ブロムヘキシン0.5〜1.0ml、アドレナリン液0.5mlを混じ1回15分間行った。各症例は2, 4, 12, 24週目の鼻症状のVAS(Visual analog scale)およびQOL改善を5段階で評価した。結果:10例(慢性鼻炎6、鼻腔内腫瘍2、鼻咽頭狭窄2)が取込まれた。鼻症状スコアは吸入開始12週まで有意な減少を認め、QOLスコアは3.3だった。考察:猫の慢性鼻汁にネブライザー療法は効果あり。 | ||
Ⅲ 症例相談 | 症例相談回答担当—呼吸器:山谷吉樹(日大)、城下幸仁(犬・猫の呼吸器科);循環器:青木卓磨(麻布大);病理:三井一鬼(岡山理科大) | 座長:城下幸仁(犬・猫の呼吸器科) |
1 | 鼻咽頭腫瘤が認められた猫の3例 | 演者:菅沼鉄平(ほさか動物病院) |
スターターや鼻汁を呈し、X線検査や透視検査にて鼻腔から鼻咽頭の閉塞を疑う所見(呼気時咽頭拡張・吸気時動的咽頭虚脱)が認められた猫の3例(症例1:雑種去勢雄6歳、症例2:スコティッシュフォールド去勢雄11歳、症例3:スコティッシュフォールド去勢雄11歳)に後部鼻鏡検査を実施した。3例とも鼻咽頭腫瘤性病変を認め、病理組織学的検査にてリンパ腫(確定1例、可能性2例)と診断された。症例1は化学療法に反応するが数日で症状が再発したため放射線治療にて寛解し第82病日を経過中、症例2は治療を希望されず第6病日に安楽死、症例3はLアスパラギナーゼ、プレドニゾロンの治療に初期は反応したが徐々に病状が進行し第75病日に死亡した。鼻咽頭腫瘤性病変を示す猫における診断、治療について特に①病理診断確定までの初期治療、②内視鏡による検査時のポイントや注意点について相談したい。 | ||
2 | 慢性咳を示すがBALF細胞診で特異的所見を示さず猫の気管支疾患と診断した2例 | 演者:明石依里子 (Ve.C ジャパン動物病院グループ自由が丘動物医療センター) |
症例1:雑種猫、去勢雄、10歳。6ヶ月前から慢性咳。胸部X線検査で特異所見認めず、CT検査では軽度の気管支パターンが肺野全域において認められた。BALF解析にて細菌培養陰性、好酸球、リンパ球、好中球増加なし。猫の気管支疾患と診断しステロイド吸入にて第65病日で経過良好。症例2:ロシアンブルー、避妊雌、10歳。PaO2 82.1 mm Hg。幼少時より慢性咳、1ヶ月前より増加。胸部X線およびCT検査にて気道中心に多発性に巣状陰影あり。BALF解析にて細菌培養陰性、好酸球、リンパ球、好中球増加なし。猫の気管支疾患と暫定診断し、ステロイド内服にて第44病日に症状改善したが肺野異常影は残存していた。慢性咳を示す猫で、BALF解析にて細菌培養陰性、細胞診に特異所見を示さない場合の診療の進め方について相談したい。 | ||
3 | 胸部X線検査にて肺門リンパ節腫大と間質性肺疾患が疑診された動静脈ろうの犬の1例 | 演者:岩﨑健太郎 (麻布大学 小動物外科学研究室) |
症例は14歳、避妊雌のボーダーコリー、体重18.35 kgであり、来院7か月前からふらつきと呼吸数増加を認め、近医にて肺炎と診断された。1か月前に興奮後に虚脱状態となり、肺野の不透過性亢進から再び肺炎と診断された。犬・猫の呼吸器科に上診したところ、呼吸器の臨床徴候なく、動脈血ガス分析でも異常を認めなかったが、胸部X線検査にて間質性肺疾患と肺門リンパ節腫大が疑われた。しかし、CT検査で肺門リンパ節腫大は認められず、異常血管による肺動脈への短絡と瘤状の拡張と蛇行を認めたため、当院に紹介来院した。心エコー検査にて拡張した肺動脈への短絡血流(最大血流速度:2.64 m/sec)から動静脈ろうと診断したが、肺高血圧症は認められなかった。当院来院時には咳があったことから、神経調節性失神による虚脱と考えた。本症例での読影法、咳の原因・病態に関して相談したい。 |
第16回 犬・猫の呼吸器勉強会 | 令和4年6月13日(月)21:00−23:00 会場:オンライン開催 | |
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1 呼吸器総論 | ⽝・猫の呼吸器疾患へのアプローチⅢ ⾝体検査(視診、聴診、触診、打診):肥満と体重管理 | 城下幸仁(犬・猫の呼吸器科) |
2 研究班報告(FDLD班) | ||
1)肺内パーカッション換気(IPV)療法とは? | 山下弘太(ダクタリ動物病院東京医療センター) | |
2)IPV療法が奏功した3例 | 城下幸仁(犬・猫の呼吸器科) | |
3 症例報告・臨床研究 | 犬咳モデルにおける各種鎮咳剤の比較検討 | 役賢人(麻布大学 小動物外科学研究室) |
第15回 犬・猫の呼吸器勉強会 | 令和4年4月11日(月)21:00−23:00 会場:オンライン開催 | |
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1 呼吸器総論 | ⽝・猫の呼吸器疾患へのアプローチⅢ ⾝体検査(視診、聴診、触診、打診):鼻汁、鼻出血、くしゃみ、逆くしゃみ | 城下幸仁(犬・猫の呼吸器科) |
2 研究班報告(診療基準班) | ネブライザー療法 | |
1)エアロゾルの特性、機材の種類、薬剤調合時の注意点-人医の常識とは? | 平林雅和(オールペットクリニック) | |
2)獣医学分野における文献レビュー | 谷口哲也(兵庫ペット医療センター東灘病院) | |
3)ミニチュア・ダックスフンドの慢性特発性鼻炎に対し在宅ネブライザー療法で管理に成功した1例 | 城下幸仁(犬・猫の呼吸器科) | |
3 症例報告・臨床研究 | ネブライザー療法が効果を示した慢性鼻汁を呈した猫の10例 | 中森正也(乙訓どうぶつ病院) |
猫の難治性声門下および上部気管狭窄に対し自己拡張型金属ステント留置にて長期管理した1例 | 城下幸仁(犬・猫の呼吸器科) |
第14回 犬・猫の呼吸器勉強会 | 令和4年2月14日(月)21:00−23:00 会場:オンライン開催 | |
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1 呼吸器総論 | ⽝・猫の呼吸器疾患へのアプローチⅢ ⾝体検査(視診、聴診、触診、打診):咳の分類 | 城下幸仁(犬・猫の呼吸器科) |
2 研究班報告(LTBS班) | 犬・猫における気管内ステント留置の適応と禁忌、術式、管理に関する文献レビュー | 菅沼鉄平(ほさか動物病院) |
3 症例報告・臨床研究 | 3頭の犬の肺出血を伴う非異状・非外傷性急死例 | 三井一鬼(ノーバウンダリーズ動物病理) |
左心房拡大による左主気管支の圧迫に対し左主気管支にステント留置を試み術後6年半生存した犬の1例 | 城下幸仁(犬・猫の呼吸器科) |
第13回 犬・猫の呼吸器勉強会 | 令和3年12月14日(月)21:00−23:00 会場:オンライン開催 | |
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1 呼吸器総論 | ⽝・猫の呼吸器疾患へのアプローチⅢ ⾝体検査(視診、聴診、触診、打診):睡眠呼吸障害の解剖学的考察 | 城下幸仁(犬・猫の呼吸器科) |
2 研究班報告(BAS班) | ⼀時的気管切開術の適応と術式、管理、合併症−気管切開ガイドライン作成にむけて− | 福⽥⼤介(⼤樹どうぶつ病院) |
3 症例報告 | Filaroides属肺⾍症により慢性咳と肺過膨張を呈した若齢⽝の1例 | 飯野亮太(いいのペットクリニック) |
披裂部余剰粘膜切除が奏功した猫の喉頭狭窄の1例 | 城下幸仁(犬・猫の呼吸器科) |
第12回 犬・猫の呼吸器勉強会 | 令和3年10月11日(月)21:00−23:00 会場:オンライン開催 | |
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1 呼吸器総論 | 犬・猫の呼吸器疾患へのアプローチⅢ 身体検査(視診、聴診、触診、打診):傾眠 | 城下幸仁(犬・猫の呼吸器科) |
2 研究班報告(FDLD班) | 気道分泌物過剰に対するステロイドの効果について-“猫のブロンコレアにステロイドは有効”の根拠はどこにあるのか?- | 山下 弘太 (ダクタリ動物病院東京医療センター) |
気道確保のための薬理学的効果-ステロイドの作用は?- | 招待アドバイザー:折戸 謙介先生 (麻布大学獣医学部生理学第二研究室) |
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3 症例報告・臨床研究 | 鼻咽頭狭窄、気管狭窄、下気道感染症、肺野多発結節影を同時発症した猫の1例 | 城下幸仁(犬・猫の呼吸器科) |
第2回 年次大会2021 | 令和3年8月17日(火)9:00-17:00 会場:オンライン開催 | |
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Ⅰ 総論 | 犬・猫の呼吸器の代表的な疾患 | 演者:城下幸仁(犬・猫の呼吸器科) 座長:飯野亮太(いいのペットクリニック) |
今年秋に、犬・猫の呼吸器臨床研究会編「一般医のための犬・猫の呼吸器疾患」が発刊予定となりました。日頃臨床医が困る飼い主への正確なインフォメーションを行うために重要な情報を簡潔にまとめたソフトカバーの本です。図や動画も豊富に取り入れました。今後、標準書となるように、文献情報に基づき記述し昨今の重要な情報をとりいれました。この一冊に本邦で日々遭遇しうる犬・猫の呼吸器疾患をカバーいたしました。今回の講義は、発刊に先立ち、その書籍の内容に即したものとしました。呼吸器疾患は単独で生じることは少なく、常に上気道、中枢気道、末梢気道・肺実質疾患を系統的に関連付けて考察して治療にとりかからないと治療効果は得られません。それには鼻から肺までの主要な疾患を知る必要があります。第1回年次大会で定義し、書籍で取り上げた鑑別疾患リストの計83疾患の中から、各区分の代表疾患について概説します。 | ||
Ⅱ 研究会業績報告 | 喉頭蓋の後傾の病態と治療 | 演者:稲葉健一(犬・猫の呼吸器科) 座長:飯野亮太(いいのペットクリニック) |
喉頭蓋の後傾とは、本来吸気時に前屈し喉頭口を広げるはずの喉頭蓋が、何らかの原因により後屈してしまい喉頭口を閉塞することで呼吸困難を生じる疾患である。現在のところその原因は解明されていない。これまであまり認識されていない疾患であったが、呼吸器診療では比較的遭遇することが多く、実際には見逃されている可能性がある。喉頭蓋の後傾の症状や診断法を解説するとともに、これまでの報告と当院呼吸器科で経験した29例から喉頭蓋の後傾の病態を整理する。また、喉頭蓋の後傾の治療として呼吸困難が持続する場合には病態に応じて喉頭蓋に対する外科的治療を検討する必要がある。これまで喉頭蓋の後傾に対して喉頭蓋の固定術や亜全摘出術、部分切除術などの術式が報告されているが、どのような術式が最善かは結論が出ていない。当院では喉頭蓋V字状部分切除術を実施し良好な経過が得られており、その術式を紹介する。 | ||
Ⅲ 症例報告 | 座長:城下幸仁(犬・猫の呼吸器科) | |
1 | 気管支鏡検査にて犬の肺虫症と診断し、フェンベンダゾールとプレドニゾロン投与にて良好な経過を示した1例 | 演者:上田一徳 (横浜山手犬猫医療センター) |
症例は、ビーグル犬、オス、12歳。1年半前に沖縄から横浜へ移住。2週間前より咳、スターター、いびき、膿性鼻汁、くしゃみの主訴で当院を来院した。犬・猫の呼吸器科にて、鼻鏡、喉頭鏡、気管・気管支鏡検査を実施した。複数の気管支が管外性圧迫にて狭窄、左鼻腔に根尖膿瘍あり。BALF細胞診にて慢性活動性炎症パターンとともに、線虫類を疑う虫体が散見され、形態学的に犬肺虫症と診断した(Filaroides hirthi) 。治療は、1) フェンベンダゾール内服投与、2) プレドニゾロン内服投与、3) ネブライザー療法(生食、GM、ボスミン, ビソルボン)、4)ビクタス内服投与を14日間投与した。治療後経過は良好で、治療終了後約1年間咳の症状はほぼ無い。犬肺虫症の確定診断は気管支鏡にて可能であった。西日本に多い疾患であるが、今回横浜で確認された。犬肺虫症は流行地域外でも鑑別疾患から除外できないことを示した。 | ||
2 | アロマ吸入後に呼吸困難を呈し濾胞性細気管支炎と診断した猫の1例 | 演者:城下幸仁(犬・猫の呼吸器科) |
猫のアロマ吸入による呼吸器毒性については逸話的情報に限られている。今回、アロマ吸入後に呼吸困難を発症し、外科的肺生検にて濾胞性細気管支炎と診断した猫の1例を経験したので報告する。7歳、去勢済みオスの雑種猫が、アロマ噴霧吸入開始1週間後に努力呼吸を示した。噴霧は中止されていたが、1週間後偶然猫がその部屋に入ったときに呼吸促迫となり夜間救急病院受診した。びまん性肺疾患と診断されステロイドに部分的に反応した。その後3ヶ月経過しても小康状態のため当院呼吸器科受診となり、気管支鏡検査にて気道異物、感染、好酸球性肺疾患を除外、組織検査にて腫瘍を除外し、濾胞性細気管支炎に相当する所見を認めた。その後、在宅酸素療法、プレドニゾロン1.25mg/kg PO BIDにて、第143病日以降、呼吸症状は安定した。第372病日にプレドニゾロンを0.7mg/kg PO SIDまで漸減すると再発し、同1.0mg/kg PO SIDで回復した。現在第502病日、同用量で維持し再発はない。アロマ成分はtea tree oilであった。 | ||
Ⅲ 症例相談 | 症例相談回答担当—呼吸器:山谷吉樹(日大)、城下幸仁(犬・猫の呼吸器科);循環器:青木卓磨(麻布大);病理:三井一鬼(岡山理科大) | 座長:城下幸仁(犬・猫の呼吸器科) |
1 | 肺高血圧症を認めた犬の間質性肺炎2例 | 演者:平川篤 (ペットクリニックハレルヤ粕屋病院) |
症例1は、15歳、未去勢のミニチュアダックスフント、症例2は、13歳、未避妊のミニチュアダックスフントで急性呼吸困難にて来院した。2例とも胸部X線検査にて、びまん性の不透過性亢進像が認められたため、肺炎あるいは肺水腫を疑った。心エコー検査にて、心室中隔の扁平化、三尖弁逆流(症例1:4.64m/sec、症例2:5.31m/sec)を認めたため、肺疾患に伴う重度肺高血圧症と仮診断した。治療は、ICU下にて、ドブタミン+ミルリノン、フロセミドの持続点滴、デキサメサゾンの皮下注射を実施した。症例1には、シルデナフィルの経口投与、症例2には、シベレスタットの持続点滴も併用した。症例1は5日間のICU管理にて回復したが、第72病日に再び呼吸困難を呈し、第81病日に死亡した。症例2は、第5病日にICU下にて死亡した。病理検査にて、症例1は亜急性〜慢性、症例2は急性ないし亜急性間質性肺炎と診断された。 | ||
2 | 難治性咳を示した肺葉硬化の犬の1例 | 演者:新実誠矢(麻布大学) |
症例は14歳6ヵ月齢,体重6.5 kg(BCS 3/5),雑種の避妊雌で,来院する4ヵ月前から間欠的に生じていた咳の悪化を主訴に来院した。副雑音は聴取されず,血液ガスも正常範囲内であった。超音波検査で1.2×1.0 cmの腫瘤性病変と気管支内の液体貯留を認め,肺葉硬化と診断した。細胞診の所見は慢性炎症であった。咳が悪化し,かつ胸水貯留が生じたため第26病日にCTおよび気管支鏡検査を実施した。CT検査で右前葉主気管支に充実性病変を認め,気管支鏡検査においては同部位に気道を閉塞する白色の塊状病変を認めた。粘性が高い喀痰を伴っており,鉗子および吸引を行ったところ,最大で5mm程度の消しゴム程度の硬さの喀痰が摘出された。細菌は検出されず,細胞診では少数の異型細胞を含む慢性炎症との診断であり,内科的治療に反応しなかったことから肺葉切除を勧めたが,年齢を理由に選択されなかった。本症例での鑑別診断,診断法,治療法をご相談したい。 | ||
3 | 免疫介在性間質性肺疾患によって生じた縦隔気腫を疑いステロイドおよびシクロスポリン投与によって管理した犬の1例 | 演者:谷口哲也 (兵庫ペット医療センター東灘病院) |
症例は雑種犬、避妊雌、14歳で4カ月前からの食欲不振と体重減少、3日前からの運動後のチアノーゼと開口呼吸を主訴に来院した。初診時、胸部X線検査で縦隔気腫を認め、初期安定化により第6病日に縦隔気腫は消失した。しかし第15病日に再び縦隔気腫を認めたため、精査を行った。動脈血ガス分析では低酸素血症と高炭酸ガス血症を認め、リウマチ因子は陽性であった。胸部CT検査では胸膜肥厚像、胸膜直下のHoneycomb、胸膜下間質性肥厚および肺野に局所的なすりガラス様陰影と硬化像を認めた。免疫介在性間質性肺疾患を疑いプレドニゾロン(2 mg/kg, SC, SID)、シクロスポリン(5 mg/kg, PO, SID)、運動制限および酸素投与を行い縦隔気腫は消失し、臨床徴候に改善を認めた。現在172病日で軽度の運動不耐性と努力呼吸を認めるが、縦隔気腫は再発していない。本症例の検討項目として①縦隔気腫に至った原因、②治療後も運動不耐性と努力呼吸を認める点について議論できればと思う。 |
第11回 犬・猫の呼吸器勉強会 | 令和3年4月12日(月)19:00−21:00 会場:オンライン開催 | |
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1 呼吸器総論 | 犬・猫の呼吸器疾患へのアプローチⅢ 身体検査(視診、聴診、触診、打診):猪首、睡眠時無呼吸 | 城下幸仁(犬・猫の呼吸器科) |
2 研究班報告(BAS班) | 短頭種気道症候群Update | 飯野 亮太(いいのペットクリニック) |
3 症例報告・臨床研究 | 若齢時から運動後チアノーゼを繰り返し、気管支肺炎様陰影とBALF中に多数の不定形粒状無構造物質を認めた犬の一例 | 城下幸仁(犬・猫の呼吸器科) |
第10回 犬・猫の呼吸器勉強会 | 令和3年2月15日(月)19:00−21:00 会場:オンライン開催 | |
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1 呼吸器総論 | 犬・猫の呼吸器疾患へのアプローチⅢ 身体検査(視診、聴診、触診、打診):咳 | 城下幸仁(犬・猫の呼吸器科) |
2 研究班報告(LTBS班) | 犬・猫の気管支肺胞洗浄液解析-方法、参照値、臨床意義、合併症に関する文献レビュー | 菅沼 鉄平(ほさか動物病院) |
3 症例報告・臨床研究 | 鼻腔内に発生した歯原性嚢胞により睡眠呼吸障害を呈した犬の1例 | 谷口 哲也 (兵庫ペット医療センター東灘病院) |
びまん性肺疾患を呈し開胸肺生検にて特発性多発性細気管支炎と診断し、ステロイド全身投与にて良好な経過を示した猫の1例 | 城下幸仁(犬・猫の呼吸器科) |
第9回 犬・猫の呼吸器勉強会 | 令和2年12月14日(月)19:00−21:00 会場:オンライン開催 | |
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1 呼吸器総論 | 犬・猫の呼吸器疾患へのアプローチⅢ 身体検査(視診、聴診、触診、打診):聴診の疾患別解説2 | 城下幸仁(犬・猫の呼吸器科) |
2 研究班報告(診療基準班) | 独自の咳スコアを用いた犬の咳に関する単施設横断調査 | 稲葉 里紗(犬・猫の呼吸器科) |
3 症例報告・臨床研究 | 若齢猫に認められた右完全無気肺を根治できた2例 | 稲葉 健一(犬・猫の呼吸器科) |
第8回 犬・猫の呼吸器勉強会 | 令和2年10月12日(月)19:00−21:00 会場:オンライン開催 | |
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1 呼吸器総論 | 犬・猫の呼吸器疾患へのアプローチⅢ 身体検査(視診、聴診、触診、打診):聴診の疾患別解説 | 城下幸仁(犬・猫の呼吸器科) |
2 研究班報告(診療基準班) | 犬・猫の呼吸器疾患における生活の質(QOL)の評価法について | 谷口 哲也 (兵庫ペット医療センター東灘病院) |
3 症例報告・臨床研究 | 右肺後葉と左肺後葉の2葉切除にて良好な経過を示した猫のブロンコレアの1例 | 城下幸仁(犬・猫の呼吸器科) |
第1回 年次大会2020 | 令和2年8月11日(火)、18(火)、25日(火) 21:00−22:30 会場:オンライン開催 | |
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プレ開催1 7月7日(火) | 呼吸器疾患におけるステロイドの使用法・施設毎の報告 | 城下幸仁(犬・猫の呼吸器科) |
プレ開催2 7月21日(火) | 呼吸器疾患のエマージェンシー:やるべき事、やってはいけない事 | 城下幸仁(犬・猫の呼吸器科) |
プレ開催3 8月4日(火) | 肺音の聴診 | 城下幸仁(犬・猫の呼吸器科) |
猫の呼吸器勉強会研究班報告から-猫の肺の画像所見と病理との連絡についての文献レビュー | 明石依里子(代官山動物病院) | |
講義の事前動画配信 (参加者のみへの3ヶ月間限定公開) 7月28日より配信開始 | ||
Ⅰ | 犬・猫の呼吸器疾患へのアプローチ-問診からX線検査までの診療指針 50分× 3部 | 城下幸仁(犬・猫の呼吸器科) |
呼吸器系を上気道、中枢気道、末梢気道・肺実質の3区分に分け、鑑別疾患リスト(計83疾患)を提示します。さらに、7年以上呼吸器専門診療を継続してきた経験に準じて、問診および身体検査、血液検査、動脈血ガス分析、X線および透視検査にて麻酔をかけない一次検査のアプローチ手順について具体例を示しながら当研究会での呼吸器診療の実践的な診療基準を提案いたします。 | ||
Ⅱ | 咽頭気道閉塞症候群とは?〜新しい上気道疾患 50分 | 稲葉健一(犬・猫の呼吸器科) |
「咽頭気道閉塞症候群」は2018年に動物臨床医学年次大会で報告/学会長賞を受賞し、2019年に当研究会が動物臨床医学に報告した新しい疾患概念です。非短頭種でありながら上気道症状を呈する症例に遭遇し、診断や治療法に悩まれた経験をお持ちではないでしょうか。本疾患は非短頭種に生じる上気道疾患のひとつであり、頭部X線検査により診断する分かりやすい疾患です。その診断基準・発症傾向・治療法・予後など実際の症例を提示しながら詳しく解説します。 | ||
8月11日(火)21:00−22:30 | ||
1 | 犬・猫の呼吸器疾患へのアプローチ 第1部に対する質疑応答/討論 | (担当 城下) |
2 | 咽頭気道閉塞症候群とは? に対する質疑応答/討論 | (担当 稲葉) |
3 | 全体討論や一般質問 | (担当 城下) |
8月18日(火)21:00−22:30 | ||
1 | 犬・猫の呼吸器疾患へのアプローチ第2部に対する質疑応答/討論 | (担当 城下) |
2 | 症例報告1:片側被裂軟骨側方化術後に呼吸困難を示し、腹側声帯切除術によって改善が認められた喉頭麻痺の犬の1例 | 布川智範(ぬのかわ犬猫病院) |
3 | 症例報告2:喉頭扁平上皮癌に対して喉頭全摘出術を実施し良好な長期経過が得られた犬の1例 | 稲葉健一(犬・猫の呼吸器科) |
8月25日(火)21:00−22:30 | ||
1 | 犬・猫の呼吸器疾患へのアプローチ第3部に対する質疑応答/討論 | (担当 城下) |
2 | 症例相談1:減感作療法で症状が改善した猫の気管支疾患/喘息の1例 | 上田一徳(横浜山手犬猫医療センター) |
3 | 症例相談2:慢性低酸素血症によって肺高血圧症を示した犬の2例 | 菅沼鉄平(ほさか動物病院) |
4 | 症例相談3:フェノバルビタールが反応した逆くしゃみ症候群の犬の1例 | 新実誠矢(麻布大学) |
質疑応答一覧 | 詳細は会員限定コンテンツに掲載しています。 |
第7回 犬・猫の呼吸器勉強会 | 令和元年12月19日(月)19:00−21:00 会場: スマートレンタルスペース 貸し会議室belle関内601 | |
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1 呼吸器総論 | 犬・猫の呼吸器疾患へのアプローチⅢ-身体検査4(視診、聴診、触診、打診):聴診の基本 | 城下幸仁(犬・猫の呼吸器科) |
2 研究班報告(FDLD班) | 猫の肺の画像所見と病理との連関についての文献レビュー | 明石依里子(代官山動物病院) |
3 症例報告・臨床研究 | ストライダーを伴った声門下腔の炎症性ポリープに対し喉頭切開にて切除し良好な経過を示した犬の2例 | 座長:飯野亮太(いいのペットクリニック) 山下智之(上大岡キルシェ動物病院) |
第6回 犬・猫の呼吸器勉強会 | 令和元年10月7日(月)19:00−21:00 会場: スマートレンタルスペース 貸し会議室belle関内601 | |
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1 呼吸器総論 | 犬・猫の呼吸器疾患へのアプローチⅢ 身体検査(視診、聴診、触診、打診):努力呼吸 | 城下幸仁(犬・猫の呼吸器科) |
2 研究班報告(LTBS班) | 犬・猫におけるラリンジアルマスクを用いた仰臥位、喉頭および気管気管支鏡検査の臨床適用:16.5年間820施行の経験 | 城下幸仁(犬・猫の呼吸器科) |
3 症例報告・臨床研究 | 演題なし |
第5回 犬・猫の呼吸器勉強会 | 令和元年8月12日(月)19:00−21:00 会場: スマートレンタルスペース 貸し会議室belle関内601 | |
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1 呼吸器総論 | 犬・猫の呼吸器疾患へのアプローチⅢ 身体検査(視診、聴診、触診、打診):異常呼吸音、ストライダー | 城下幸仁(犬・猫の呼吸器科) |
2 研究班報告(BAS班) | 短頭種気道閉塞症候群の臨床評価-主観および客観評価の文献レビュー | 布川智範(ぬのかわ犬猫病院) |
3 症例報告・臨床研究 | 犬の原発性気管軟骨腫の1 例 | 稲葉健一(犬・猫の呼吸器科) |
第4回 犬・猫の呼吸器勉強会 | 令和元年6月17日(月)19:00−21:00 会場: 相模原市立市民・大学交流センター(セミナールーム1) | |
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症例報告・臨床研究 | 座長:城下幸仁(犬・猫の呼吸器科) | |
1 | 若齢猫に発生した鼻腔内形質細胞腫の1例 | ◯谷口 哲也1)2), 藤原 亜紀1), 田村 恭一3), 浅田 李佳子1),, 長谷川 大輔1), 藤田 道郎1) 1) 日本獣医生命科学大学獣医放射線学研究室、 2) 兵庫ペット医療センター東灘病院、 3) 日本獣医生命科学大学獣医臨床病理学研究室 |
2 | 爪床メラノーマの肺転移切除後に長期生存している犬の1例 | ◯布川智範 嶋田竜一 池田博和(ぬのかわ犬猫病院) |
3 | 喉頭蓋の後傾に対し喉頭蓋部分切除術を実施し良好な経過が得られた犬の1例 | 稲葉健一(犬・猫の呼吸器科) |
4 | 咳嗽と喀血を呈した猫の気管支疾患の1例 | 稲葉健一(犬・猫の呼吸器科) |
第3回 犬・猫の呼吸器勉強会 | 平成31年4月8日(月)19:00−21:00 会場: 相模原市立市民・大学交流センター(セミナールーム1) 最寄駅:相模大野駅 | |
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1 呼吸器総論 | 犬・猫の呼吸器疾患へのアプローチⅢ 身体検査(視診、聴診、触診、打診):異常呼吸音 | 城下幸仁(犬・猫の呼吸器科) |
2 研究班報告(LTBS班) | 犬・猫の気管支鏡検査−麻酔法、体位、気道確保、BALの手技、合併症に関する文献レビュー | 菅沼 鉄平(ほさか動物病院) |
3 症例報告・臨床研究 | 口咽頭内の腺扁平上皮癌と診断された_キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの1例_ | 明石 依里子 (昭島動物病院、現:代官山動物病院) |
第2回 犬・猫の呼吸器勉強会 | 平成31年2月11日(月)19:00−21:00 会場: 相模原市立市民・大学交流センター(セミナールーム1) 最寄駅:相模大野駅 | |
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1 呼吸器総論 | 犬・猫の呼吸器疾患へのアプローチⅡ 問診 | 城下幸仁(犬・猫の呼吸器科) |
2 研究班報告 | 演題なし | |
3 症例報告・臨床研究 | 死後検査における呼吸器 | 三井 一鬼 (合同会社ノーバウンダリーズ動物病理) |
第1回 犬・猫の呼吸器勉強会 | 平成30年12月10日(月)19:00−21:00 会場: 相模原市立市民・大学交流センター(セミナールーム1) 最寄駅:相模大野駅 | |
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開催のごあいさつ | 犬・猫の呼吸器臨床研究会発足の経緯と活動方針について説明いたしました。 | 城下幸仁(犬・猫の呼吸器科) |
1 呼吸器総論 | 犬・猫の呼吸器疾患へのアプローチⅠ 呼吸器臨床の体系と鑑別疾患リスト | 城下幸仁(犬・猫の呼吸器科) |
2 研究班報告(診療基準班) | 獣医臨床における 咳のグレーディング評価 | 谷口哲也 (兵庫ペット医療センター東灘病院) |
3 症例報告・臨床研究 | 無菌性化膿性肉芽腫により重度気管狭窄を生じた若齢犬の1例 | 稲葉健一(犬・猫の呼吸器科) |
犬・猫の呼吸器症例検討会(現研究会の前身)
第6回 | 平成30年10月15日(月)19:00−21:00 会場:相模原市立市民・大学交流センター(セミナールーム1) 最寄駅:小田急線相模大野駅 |
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1 | 犬・猫の間質性肺疾患 | 稲葉健一(犬・猫の呼吸器科) |
2 | 口蓋から発生した粘液瘤により鼻咽頭狭窄を呈した犬の一例 | 中森正也(乙訓どうぶつ病院) |
第5回 | 平成30年8月20日(月)19:00−21:00 会場:相模原市立市民・大学交流センター(セミナールーム1) 最寄駅:小田急線相模大野駅 |
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1 | 犬・猫の咽頭疾患~とくに短頭種気道症候群~ | 稲葉健一(犬・猫の呼吸器科) |
2 | 鉗子を用いた鼻咽頭拡張術により 症状が改善した瘢痕性の鼻咽頭狭窄の猫の1症例 | 明石 依里子(昭島動物病院) |
3 | 若齢で発症した喉頭麻痺の犬の1例 | 谷口 哲也 (兵庫ペット医療センター東灘病院) |
第4回 | 平成30年6月18日(月)19:00−21:00 会場:相模原市立市民・大学交流センター(セミナールーム1) 最寄駅:小田急線相模大野駅 |
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1 | 犬・猫の中枢気道疾患-とくに気管虚脱- | 稲葉健一(犬・猫の呼吸器科) |
2 | 無菌性化膿性肉芽腫により重度気管狭窄を生じた若齢犬の1例(演題取り下げ) | 稲葉健一(犬・猫の呼吸器科) |
3 | 外科的矯正術を施した原発性気管虚脱の犬の1例 | 菅沼 鉄平(ほさか動物病院) |
4 | 咽喉頭を塞いだ鼻咽頭ポリープの猫の1症例 | 布川 智範(ぬのかわ犬猫病院) |
特別講演 | 気管軟化(虚脱)症に対する治療薬開発研究と今後の展開 ―褥瘡治療薬の呼吸器病への可能性についてー |
古村 眞 (埼玉医科大学病院 小児外科 教授 東京大学病院ティッシュエンジニアリング部 小児再生医療研究室 特任研究員) |
第3回 | 平成30年4月30日(月)19:00−21:00 会場:相模原市立市民・大学交流センター(セミナールーム1) 最寄駅:小田急線相模大野駅 |
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1 | 犬・猫の末梢気道・肺実質~閉塞性疾患~2 | 稲葉健一(犬・猫の呼吸器科) |
2 | 呼吸困難を呈し、臨床的に閉塞性細気管支炎と診断した犬の2例 | 稲葉健一(犬・猫の呼吸器科) |
第2回 | 2018年2月19日(月)19:00−21:00 会場:B-Life(1-B会場) 最寄駅:小田急線町田駅 | |
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1 | 犬・猫の喉頭疾患 | 稲葉健一(犬・猫の呼吸器科) |
2 | 喉頭麻痺に誤嚥性肺炎、食道拡張、食道裂孔ヘルニアを併発し、初診時は外科非適応と判断されたが、2週間のICU管理にて一般状態の改善を認め、片側披裂軟骨側方化術を実施し、良好な経過を得た13歳ラブラドールの1例 | 稲葉健一(犬・猫の呼吸器科) |
第1回 | 2017年12月18日(月)19:00−21:00 会場:相模が丘動物病院呼吸器科 最寄駅:小田急線小田急相模原駅 | |
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1 | 気管支肺胞洗浄法の手引き-気管支鏡を利用した相模が丘動物病院呼吸器科における方法- | 稲葉健一(犬・猫の呼吸器科) |
2 | 気管支肺胞洗浄液解析によって診断した犬の過敏性肺炎の2例 | 稲葉健一(犬・猫の呼吸器科) |