SP03 猫の気管支疾患/喘息
- 気管支の病気
病態と定義
猫の気管支疾患(Feline Bronchial Disease:FBD)/猫喘息(Feline Asthma:FA)とは繰り返す発作性咳、喘鳴、呼吸困難などを呈する、猫の慢性末梢気道病変の総称である1,2。これらの症状は気管支平滑筋収縮による気道壁の肥厚、過度の分泌物、細胞浸潤などにより引き起こされる(図1)3。FBDの気道炎症には好酸球または好中球が関与する4。発作性咳を主徴とする好酸球性の猫の気管支疾患をFAと定義する。好中球性の猫の気管支疾患は慢性咳または発作性喘鳴を主徴とし、猫の慢性気管支炎(Chronic bronchitis:CB)、閉塞性細気管支炎(Bronchiolitis obliterans:BO)などが含まれると考えられるが、現段階では明確な病態は分かっていない。
図1 猫の気管支疾患/喘息で考えらえている気管支の病態。カラーアトラス 最新くわしい猫の病気大図典、誠文堂新光社、2009。P36−37図1と図2を引用、一部改変。