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第16回 犬・猫の呼吸器勉強会

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第16回 犬・猫の呼吸器勉強会

日時: 令和4年6月13日(月)21:00−23:00

会場: オンライン開催

内容

1 呼吸器総論   座長:上田一徳(横浜山手犬猫医療センター)

犬・猫の呼吸器疾患へのアプローチⅢ 身体検査(視診、聴診、触診、打診)肥満と体重管理

城下幸仁(犬・猫の呼吸器科)

10年以上呼吸器専門診療を継続してきた経験に準じて作成した犬・猫の呼吸器科の診療データベースのシートを用い、麻酔を行わない一次検査の手順による診断アプローチを紹介し、今後当研究会での呼吸器診療の診療基準の試案を検討していく。前回に引き続き、身体検査(視診、聴診、触診、打診)の手順について紹介する。肥満の評価と体重管理について解説する。

2 研究班報告(FDLD班)  座長:城下幸仁(犬・猫の呼吸器科)

肺内パーカッション換気(IPV)療法とは?

山下弘太(ダクタリ動物病院東京医療センター)

肺内パーカッション換気療法(IPV)について医学における知見を調査し、動物への応用を検討した。IPV療法は呼吸理学療法のひとつであり、肺に小さなガスバーストを高頻度で送り込むことで肺を振動させ気道閉塞を解除するというものである。送り込まれた気流によって酸素化/換気を行うと共に、ジェットネブライザーによる末梢気道への薬剤投与も可能であり、ヒトでは慢性閉塞性肺疾患や嚢胞性肺線維症等の気道分泌/閉塞を伴う疾患の他、神経筋疾患や乳幼児などの適切に咳嗽ができない患者にも実施されている。挿管下だけでなくマスクでも実施可能なため通院治療としても適用でき、気道を昇圧しないため小児や高齢者においても安全性が高い。獣医療においても比較的簡便に実施することができる要素を備えており、ヒトと同等の理学療法の効果が期待できるという点で有益ではないかと考える。

IPV療法が奏功した3例

城下幸仁(犬・猫の呼吸器科)

肺内パーカッション換気(IPV)療法が奏功した3例を提示する。症例1:犬、雑種、未去勢雄、13歳、体重10.6kg。急性呼吸困難で来院。頻呼吸、起立不能、PaO2 44 mm Hg、肺野両側性浸潤影、僧帽弁逆流なし。非心原性肺水腫と診断し、IPV療法開始。3日間で回復し、PaO2 94 mm Hg, 浸潤影消失し退院。症例2:猫、チンチラ、雄、7歳、体重8.30kg。3年間慢性咳あり。BALF好酸球33.2%にて猫喘息と診断しステロイド吸入療法も十分効果なく、難治性喘息のためIPV療法を月1回継続し喀出性咳が減少し4年5ヶ月良好に管理できた。症例3:猫、ノルウェージャン・フォレスト・キャット、雄、2ヶ月齢。体重1.02kg。慢性呼吸困難で来院。PaO2 43 mm Hg、右肺完全無気肺あり、IPV治療を毎日2-4回継続して、第37病日にPaO2 88mm Hg、無気肺は消失した。

3 症例報告・臨床研究  座長:上田一徳(横浜山手犬猫医療センター)

犬咳モデルにおける各種鎮咳剤の比較検討

役 賢人(麻布大学 小動物外科学研究室)

研究課題:犬咳モデルに対して鎮咳薬の咳抑制効果を調査した研究。背景:著者らの知る限り、覚醒下の犬咳モデルで鎮咳薬の効果を比較検討した報告はない。目的:犬における鎮咳剤3剤の咳抑制効果を比較検討する。材料と方法:本研究には臨床的に健康なビーグル犬5頭を供した。プロポフォールで不動化後、気管内に中心静脈カテーテルを留置し、生理食塩水の投与で咳を誘発した。鎮咳剤としてブトルファール(0.3 mg/kg, IM)、マロピタント(1 mg/kg, IM)、ダンプロン®(0.1 mL/kg ,IM)を用い、投薬前後を動画記録し、投薬前、投薬1および3時間後で咳の回数を比較した。結果:ブトルファールでは投与1時間後と3時間後に、ダンプロン®では投与1時間後に有意に咳が抑制された。考察:本モデルではブトルファノール、ダンプロン®の順に咳抑制効果が認められたため、気管炎などには上記薬剤が有効と考えられた。

演題募集中。演題タイトルの締切は5月13日(金)となります。演題名、発表者名、所属を事務局(jimu@verms.jp)に連絡ください。発表者は会員である必要がありますが、共同発表者はその限りではありません。募集要項は以下の通りです。演題募集終了しました。次回10月10日開催の第17回犬・猫の勉強会での演題応募をお待ちいたしております。

1)症例報告:来院経緯、症状の動画データ、身体検査・血液検査・X線検査・透視検査・動脈血ガス分析などの一次検査所見、鑑別疾患リスト、CT検査、気管支鏡検査、鼻鏡検査、BALF解析や病理診断、確定診断、内科治療または外科治療、治療転帰、などの詳細データが全て揃っているもの。2)臨床研究:呼吸器学に関する知見。体裁は自由。他の学会で発表したものでもよいです。 1)2)とも発表10分、議論10分。1回開催につき、1〜2演題とさせていただきます。演題やスライド資料は当サイト(会員限定コンテンツ内)で公開いたします。

用語や基準は書籍「一般臨床医のための犬と猫の呼吸器疾患」に従います。

参加費: 研究会会員は無料。非会員は事前登録・事前振込3,000円(開催4日前までに振込完了)。非会員の方はオンラインミーティングの招待メールを事前に送信します。

連絡事項

  1. 非会員参加の場合、原則として事前申し込みをお願いします。6月6日までに研究会事務局(jimu@verms.or.jp)にご連絡ください
  2. 開場は20:30となります。入室許可手続きがありますので入室自体はお早めにお願いします。
  3. 待機室入室後、3分以上たっても承認されない場合、お手数ですが事務局046-256-4351までお電話ください。電話にて承認手続きを行わせていただきます。
  4. 各講演内容は研究会会員にYou Tubeにて限定公開いたします。その中のコメントを介し質疑応答可能です。
  5. 開催中、質問者は円滑な議論のためビデオオンでお願いします。
  6. 閉会後、同一会場にて23:15から歓談や飲食しながら討論会を60分程度設けます。参加や退出のタイミング自由です。症例相談があればデータ提示をお願いします。

 

第17回 犬・猫の呼吸器勉強会のご案内

日時: 令和4年10月10日(月)21:00−23:00

会場: オンライン開催

内容

1 呼吸器総論   座長:飯野亮太(いいのペットクリニック)

犬・猫の呼吸器疾患へのアプローチⅢ 身体検査(視診、聴診、触診、打診)

城下幸仁(犬・猫の呼吸器科)

2 研究班報告(BAS班)  座長:城下幸仁(犬・猫の呼吸器科)

犬の睡眠時無呼吸に関する情報収集(予定)

布川智範(ぬのかわ犬猫病院)

3 症例報告・臨床研究  座長:飯野亮太(いいのペットクリニック)

演題募集中。演題タイトルの締切は9月10日(土)となります。演題名、発表者名、所属を事務局(jimu@verms.jp)に連絡ください。発表者は会員である必要がありますが、共同発表者はその限りではありません。募集要項は以下の通りです。

1)症例報告:来院経緯、症状の動画データ、身体検査・血液検査・X線検査・透視検査・動脈血ガス分析などの一次検査所見、鑑別疾患リスト、CT検査、気管支鏡検査、鼻鏡検査、BALF解析や病理診断、確定診断、内科治療または外科治療、治療転帰、などの詳細データが全て揃っているもの。2)臨床研究:呼吸器学に関する知見。体裁は自由。他の学会で発表したものでもよいです。 1)2)とも発表10分、議論10分。1回開催につき、1〜2演題とさせていただきます。演題やスライド資料は当サイト(会員限定コンテンツ内)で公開いたします。

用語や基準は書籍「一般臨床医のための犬と猫の呼吸器疾患」に従います。

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