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第17回 犬・猫の呼吸器勉強会

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第17回 犬・猫の呼吸器勉強会

日時: 令和4年10月10日(月)21:00−23:00

会場: オンライン開催

内容

1 呼吸器総論   座長:飯野亮太(いいのペットクリニック)

犬・猫の呼吸器疾患へのアプローチⅢ 身体検査(視診、聴診、触診、打診)聴診の基本事項  城下幸仁(犬・猫の呼吸器科)

10年以上呼吸器専門診療を継続してきた経験に準じて作成した犬・猫の呼吸器科の診療データベースのシートを用い、麻酔を行わない一次検査の手順による診断アプローチを紹介し、今後当研究会での呼吸器診療の診療基準の試案を検討していく。前回に引き続き、身体検査(視診、聴診、触診、打診)の手順について紹介する。今回は、聴診の基本的事項について解説する。

2 研究班報告(BAS班)  座長:城下幸仁(犬・猫の呼吸器科)

犬の睡眠時無呼吸に関する文献レビュー 布川智範(ぬのかわ犬猫病院)

人の睡眠時無呼吸症候群は日中の眠気や疲弊感を引き起こし、社会活動へ影響が出るだけではなく、様々な疾患のリスク因子となることが知られている。犬の睡眠時無呼吸は歴史的に人の睡眠時無呼吸症候群のモデルとしてブルドックで研究された歴史がある。しかし、その研究以降に病態や診断、治療に関して十分な情報が出てきていない現状がある。今回は限られた情報から疾患の分類、過去の基礎研究から明らかにされた事柄、睡眠時無呼吸と他の併発疾患の関連、ケースレポートを中心に紹介し、獣医領域におけるこの疾患概念についてまとめる

ヒト乳幼児の睡眠呼吸障害と動物への睡眠時呼吸モニターとしての新しい体動センサーの試み 宗修平(浜松医科大学)

我々はこれまでに体動センサー(住友理工株式会社)を用いて睡眠時の呼吸の波形に着目した解析に取り組んできた。我々の研究グループでは新生児や乳幼児を対象に未病に関連する異常な呼吸波形ターンを同定し、これを指標に病気の早期発見および治療機会の拡大につなげることをひとつの目的としている。また、睡眠が脳や体の成長に重要な役割を果たす乳幼児期において睡眠の質を定量的かつ客観的に評価する方法の開発を目指している。無呼吸を含む不安定な呼吸リズムは睡眠の分断に関連することから、呼吸の安定性を指標にして睡眠リズムや睡眠の質を評価できるのではないかと考えている。本報告では体動センサーを用いて呼吸を解析する方法、特徴的な呼吸波形のパターン、そして安定呼吸を指標にした睡眠リズムの判定方法について紹介する。また、本センサーおよび解析技術の応用利用として犬を対象にした検討内容についても共有する。

3 症例報告・臨床研究  座長:飯野亮太(いいのペットクリニック)

犬の喉頭蓋に発生したポリープ状を呈する軟骨腫の1例  平林雅和(オールペットクリニック)

犬・猫の原発性喉頭腫瘍の発生は全腫瘍 の 0.02% と非常にまれな腫瘍であり、そのうち多くが悪性腫瘍と報告されている。最も多く報告されているものは扁平上皮癌とされる。また、良性腫瘍もみられるものの、反応性病変である炎症性ポリープ、 喉頭嚢胞、肉芽腫との鑑別が必要とされている。今回、ペットホテルに預けた後より食欲不振、活動性低下を認めることを主訴に来院したポメラニアン(12歳齢/去勢雄)の喉頭蓋のポリープ状腫瘤と遭遇し、摘出後、病理組織学的検索をHE染色にて実施し軟骨腫を診断した。診断に至るまでの臨床経過や摘出方法、術後経過、3名の病理診断医における知見の相違などを得たので報告し相談したい。

猫の特発性間質性肺炎の1例  城下幸仁(犬・猫の呼吸器科)

間質性肺疾患(ILDs)は様々なパターンの炎症や線維化障害によって生じる非感染性非腫瘍性肺実質性疾患の総称で、特に原因不明のものを特発性間質性肺炎(IIPs)と呼ぶ。2019年に獣医学でILDsの分類法が提唱された。2004年報告された猫の特発性肺線維症(FIPF)はIIPsの一形態である。症例は、雑種猫、避妊済雌、10歳。2週間前より努力呼吸あり、PaO2 80mmHg、胸部CT検査にてびまん性網状影、BALF解析にて感染症と好酸球性肺疾患を除外、経気管支肺生検にて悪性所見なく、IIPsと診断し、プレドニゾロン1.2mg/kg PO SID投与開始したが、第69病日に頻呼吸を呈しPaO2 44mmHgと状態悪化、第80病日に飼主同意にて人道的安楽死。剖検にて肺全体に炎症と線維化による肺胞壁肥厚が均一に広がり、ヒトの線維化性非特異性間質性肺炎に相似し、FIPFとは異なる病理所見を示した。

演題受付を終了しました。次回第18回の犬・猫の呼吸器勉強会での演題をお待ちしております。

連絡事項

  1. 非会員参加の場合、原則として事前申し込みをお願いします。10月3日までに研究会事務局(jimu@verms.or.jp)にご連絡ください
  2. 開場は20:30となります。入室許可手続きがありますので入室自体はお早めにお願いします。
  3. 入室時には、Zoom参加手順の注意事項210804に従い、Zoom-ミーティングに参加する-名前を漢字(例、城下幸仁)に書き換えてから「参加」ボタンを押してください。
  4. 待機室入室後、3分以上たっても承認されない場合、お手数ですが事務局046-256-4351までお電話ください。電話にて承認手続きを行わせていただきます。
  5. 各講演内容は研究会会員にYou Tubeにて限定公開いたします。その中のコメントを介し質疑応答可能です。
  6. 開催中、質問者は円滑な議論のためビデオオンでお願いします。
  7. 閉会後、同一会場にて23:15から歓談や飲食しながら討論会を60分程度設けます。参加や退出のタイミング自由です。症例相談があればデータ提示をお願いします。

 

第18回 犬・猫の呼吸器勉強会のご案内

日時: 令和4年12月12日(月)21:00−23:00

会場: オンライン開催

内容

1 呼吸器総論   座長:上田一徳(横浜山手犬猫医療センター)

犬・猫の呼吸器疾患へのアプローチⅢ 身体検査(視診、聴診、触診、打診)

城下幸仁(犬・猫の呼吸器科)

2 研究班報告(LTBS班)  座長:城下幸仁(犬・猫の呼吸器科)

 BALFの細胞診についての文献レビュー

菅沼鉄平(ほさか動物病院)

発表者未定

3 症例報告・臨床研究  座長:上田一徳(横浜山手犬猫医療センター)

演題募集中。演題タイトルの締切は11月12日(土)となります。演題名、発表者名、所属を事務局(jimu@verms.jp)に連絡ください。発表者は会員である必要がありますが、共同発表者はその限りではありません。募集要項は以下の通りです。

1)症例報告:来院経緯、症状の動画データ、身体検査・血液検査・X線検査・透視検査・動脈血ガス分析などの一次検査所見、鑑別疾患リスト、CT検査、気管支鏡検査、鼻鏡検査、BALF解析や病理診断、確定診断、内科治療または外科治療、治療転帰、などの詳細データが全て揃っているもの。2)臨床研究:呼吸器学に関する知見。体裁は自由。他の学会や研究会で未発表のものとする。 1)2)とも発表10分、議論10分の合計20分。1回開催につき、1〜2演題とさせていただきます。演題やスライド資料は当サイト(会員限定コンテンツ内)で公開いたします。

用語や基準は書籍「一般臨床医のための犬と猫の呼吸器疾患」に従います。

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