U09 歯科疾患関連性鼻炎
- 鼻の病気
病態と定義
上顎歯の根尖周囲病巣の影響で上顎歯槽骨の骨融解が生じ、口腔と鼻腔が交通する。膿性の鼻汁は、硬口蓋の欠損部から鼻腔に入った食物の粒子に対する異物反応によって起こり、二次的な細菌感染を伴うことがある。感染は、口腔内の衛生状態の悪化や、歯の破折が歯髄腔にまで及ぶことで生じる1-3。また、外歯瘻、上顎歯の埋伏に関連した鼻腔の炎症や含歯性嚢胞、口蓋裂に関連して同様の症状を生じることがある3。犬では、慢性鼻炎の4%、5%で歯の異常が認められたという報告4,5、炎症性鼻疾患と歯原性感染症の関連がおよそ55%で確認されたという報告がある6。