OT01 嚢胞性肺疾患
- 肺の病気
病態と定義
嚢胞性疾患はX線検査あるいはCT検査で空洞化あるいは嚢胞化した肺あるいは気管支の所見を認める疾患群である。したがって形態変化に基づく便宜的診断名であり、治療方針を確定させるにはさらに精査が必要となる。嚢胞性肺疾患には、水疱、小疱、嚢胞、膿瘍、および嚢胞性気管支拡張がある1。嚢胞化あるいは空洞化した病変は起源によって肺実質の限局性疾患、気管支の拡張、空洞形成する軟部組織に分類される1-3(表1)。
表1 囊胞性肺疾患の分類1
*肺気腫などで肺胞が破壊され、肺実質内に囊胞を形成し膨隆部を形成4 ;** 肺胞が破けて胸膜内にできた囊胞であり、囊胞周囲は胸膜で囲まれている4