犬・猫の呼吸器病

SP18 肺の寄生虫症

  • 気管の病気
  • 気管支の病気
  • 肺の病気

病態と定義

犬と猫における呼吸器の寄生虫症の原因は、線虫類の肺虫、吸虫類の肺吸虫、節足動物、原虫である。ここでは犬と猫の肺の寄生虫症のうち代表的な、肺虫症と肺吸虫症について述べる。フィラリア症による呼吸器感染については別項で述べる。擬円形線虫上科、旋毛虫上科に属する線虫類、及び住胞吸虫上科肺吸虫科に属する吸虫類が下部呼吸器官に感染することにより発症するが、比較的稀でありその多くが無症状である。若い個体は最も感受性が高く、典型的には持続する慢性の咳を示し重度の呼吸困難や二次的な細菌性気管支肺炎を起こすこともある1。病変の重症度は虫体種と寄生数による。肺の少容積と気管・気管支の小径のため、幼若動物ではより重症化しやすい。未熟な免疫システムもかかり易い要因であり、若い個体ではよりX線検査所見が重度になりやすい2。全血球計算において好酸球増加がみられることがあるが、一致した所見ではない。気管支粘液や糞便検査による第1期幼虫や虫卵の検出2で診断するが、結果が陰性であっても除外診断することはできない。

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