犬・猫の呼吸器病

SP17 肺腫瘍(原発性・転移性)

  • 肺の病気

病態と定義

肺原発性腫瘍のほとんどは癌で、最も一般的なものは肺腺癌である1-31)。腺癌は発生起源によりさらに気管支腺癌、細気管支肺胞上皮癌、肺胞上皮癌に分類されている。ほとんどの原発性肺腫瘍は孤立性であり、まれではあるが犬におけるびまん性細気管支肺胞上皮癌が報告されている4。さらに肺癌については分化型と未分化型に分類され、遠隔転移の発生に関連する1,5。扁平上皮癌についての報告は比較的少ない。遠隔転移は未分化腺癌の50%以上と扁平上皮癌の90%以上において遠隔転移が発生する1。猫の原発性肺腫瘍のおよそ75%は遠隔転移を認めたとの報告があり6、多発性肢端転移症候群(肺-肢症候群)についての報告が複数ある7
図1 犬と猫の肺腫瘍の最も一般的な腫瘍は腺癌である。予後因子の報告は犬では局所リンパ節腫大と組織学的グレード、猫では組織学的グレードが予後に関与すると報告されている(文献2,6,32,33より作成)。

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