SP05 猫の気管支肺疾患
- 気管支の病気
- 肺の病気
病態と定義
気流制限の病態を基礎とし、末梢気道および肺に障害をきたす疾患を指すものと1996年に提唱された12。気流制限には気道炎症、気道粘膜浮腫、気道平滑筋の肥厚/収縮、肺における分泌物の過剰生産/うっ滞などが関与していると考えられている。健常猫に比べ、猫の気管支肺疾患症例では肺抵抗(気道抵抗の指標)の上昇と動肺コンプライアンスの低下が生じていることが判明している2。提唱当時の報告においては下気道感染との識別もされておらず、また肺の寄生虫症や猫のブロンコレアなどの症例も本疾患に含まれている可能性がある。本疾患は現在解明が進んでいる猫の末梢気道および肺実質疾患群が混在したものである。