第34回 犬・猫の呼吸器勉強会
- お知らせ
第34回 犬・猫の呼吸器勉強会の案内
日時: 令和8年8月10日(月)19:00−21:00 (開場:18:45)
会場: ユニコムプラザさがみはら ミーティングルーム4 (最寄り駅:小田急線相模大野駅、徒歩3分)
ただしこれまで通りのオンライン開催も同時進行します(ハイブリッド開催)。会場参加定員は15名までとなります。
19:00-19:20 1 呼吸器ミニ講義 座長:城下幸仁(犬・猫の呼吸器科)
肺の病理検査の学術的価値を上げる方法(20分)
三井一鬼(ノーバウンダリーズ動物病理)
学術的価値を上げるとは、のちの検査・評価を想定した検体採取・処理をすることに他ならない。特に大事なのは、①肺と同時に提出すべき臓器、②固定前の肺の肉眼的評価、③DNAやタンパクの保護、である。①に関して、心臓の評価は肺高血圧症の原因究明で重要となる。病原体の侵入門戸や腫瘍の原発巣の探索には、全身諸臓器の評価が欠かせない。びまん性肺胞傷害の原因は多岐にわたるため(例:敗血症、播種性血管内凝固、膵炎、尿毒症、薬剤の副反応)、やはり全身諸臓器の精査が欠かせない。②は、写真のみならず記述によって記録にとどめることが不可欠である。講義では視診と触診の勘所について詳細を講義する。③は、多様な分子生物学的解析が可能となっている現代において、臨床獣医師が留意すべき「新しい常識」(例:ホルマリン固定の際の注意事項等)について講義する。
19:25-20:10 2 招待講演 座長:上田一徳(横浜山手犬猫医療センター・葉山まほろば動物病院)
短頭種の麻酔管理(とくに麻酔後の誤嚥性肺炎防止について)(45分)
藤本 鉄兵 (日本大学動物病院麻酔科、ASAH獣医麻酔グループ所属・VAC代表)
短頭種犬は他の犬種よりも麻酔に伴う死亡および合併症のリスクが高いとされている1)。麻酔導入時および覚醒時にトラブルが起こりやすいことは知られているが、術後の痛みや入院ストレスに伴う興奮、また短頭種気道症候群(BOAS:Brachycephalic Obstructive Airway Syndrome) に対する手術であればその他の合併症も呼吸状態に大きく影響するため、麻酔管理のみならず、麻酔前から術後まで周術期を通して注意が必要となる。短頭種犬は吸気努力に伴う胸腔内の過度な陰圧が消化器症状発生率の増加に寄与していることが一因として示唆されており2)麻酔を実施するにあたって、その消化器症状や麻酔後の一時的な生理機能の低下、手術などに起因して誤嚥性肺炎を呈する症例も少なくない。今回は短頭種犬の麻酔管理の中で、特に麻酔後の誤嚥性肺炎予防にフォーカスして、既報と私見を通して議論を深め、日々の短頭種犬に対する周術期管理の一助になれば幸いである。
<参考文献>
1) Veterinary Anesthesia and Analgesia the 6th Edition of Lumb and Jones. p.788-799
2) Freiche V. et al. Digestive diseases in brachycephalic dogs. Vet Clin North Am Small Anim Pract 2021; 51: 61–78.
20:15-20:55 3 症例報告・臨床研究 座長:上田一徳(横浜山手犬猫医療センター・葉山まほろば動物病院)
1)肺ボトリオマイコーシスの猫の1例 (20分)
花岡瑛二朗(麻布大学附属動物病院、花岡動物病院)
ボトリオマイコーシスは細菌に対する肉芽腫性炎症を特徴とする非常に稀な慢性化膿性感染症である。猫に発生した肺ボトリオマイコーシスの症例を報告する。雑種猫、雌(避妊済)、9歳であり右肺前野・肺門部領域の不透過性亢進を認めた。症例は慢性咳の治療の為、約1年にわたるステロイド治療を行っていた。ステロイド治療により慢性咳・活動性は十分コントロールできていたが、肺野不透過性亢進を認めた為、第415病日に切除生検を実施した。病理検査では球菌を囲むように硫黄顆粒を認めた(Splendore-Hoeppli現象)。以上の検査所見より肺ボトリオマイコーシス症と診断した。ボトリオマイコーシスは免疫の低下で発生すると考えられている。長期にわたるステロイド治療により発生した可能性も考えられるが、原因・発生については不明である。猫の肺ボトリオマイコーシスの初報告であり、今後慢性肺疾患の鑑別診断の1つに挙げられる。
2)特発性横隔膜機能不全と臨床診断した犬の1例 (20分)
田内昭成(四国動物医療センター)
犬の横隔膜機能不全はまれな疾患であり、肺・気道疾患に類似した吸気努力を示すが、進行例では高二酸化炭素血症を伴う慢性肺胞低換気を呈す。症例は、ヨークシャー・テリア、8歳、去勢雄、約2kg。膀胱結石および門脈体循環シャント疑いで来院し、第16病日より咳と吸気努力を認めた。第49病日の動脈血ガス分析でPaCO₂ 51.9 mmHg、PaO₂ 61.8 mmHg、A-aDO₂ 23.05 mmHgを認め、肺胞低換気が疑われた。血液検査、X線検査、CT検査、気管支鏡検査では高二酸化炭素血症を説明する全身性筋障害、肺実質病変、気道疾患、頸髄病変、縦隔腫瘤を認めなかった。第53病日の透視検査で吸気時横隔膜尾側変位の消失を認め、第65病日に兵庫ペット医療センターにて特発性横隔膜機能不全と臨床診断された。在宅酸素療法を行ったが、第203病日にPCV 66%を認め、第231病日に斃死した。病理所見では横隔膜筋線維の変性・壊死・再生を認めた。高二酸化炭素血症を伴う吸気努力では肺・気道疾患以外に本疾患も考慮すべきである。
演題受付終了しました。今回、多くの演題のご応募いただきました。ありがとうございました。次回12月での演題発表にてよろしくお願いします。
演題募集中。2演題(各20分)まで。演題タイトルの締切は7月10日(金)となります。演題名、発表者名、所属を事務局(jimu@verms.or.jp)に連絡ください。発表者は会員である必要がありますが、共同発表者はその限りではありません。募集要項は以下の通りです。
1)症例報告:来院経緯、症状の動画データ、身体検査・血液検査・X線検査・透視検査・動脈血ガス分析などの一次検査所見、鑑別疾患リスト、CT検査、気管支鏡検査、鼻鏡検査、BALF解析や病理診断、確定診断、内科治療または外科治療、治療転帰、などの詳細データが全て揃っているもの。2)臨床研究:呼吸器学に関する知見。体裁は自由。他の学会や研究会で未発表ものとする。 1)2)とも発表10分、議論10分で合計20分。1回開催につき、1〜2演題とさせていただきます。演題やスライド資料は当サイト(会員限定コンテンツ内)で公開いたします。
用語や基準は書籍「一般臨床医のための犬と猫の呼吸器疾患」に従います。
連絡事項
オンライン参加の場合
- 非会員参加の場合、原則として事前申し込みをお願いします。8月3日(月)までに研究会事務局(jimu@verms.or.jp)にご連絡ください
- 開場は18:45となります。入室許可手続きがありますので入室自体はお早めにお願いします
- 入室時には、Zoom参加手順の注意事項210804に従い、Zoom-ミーティングに参加する-名前を漢字(例、城下幸仁)に書き換えてから「参加」ボタンを押してください
- 待機室入室後、3分以上たっても承認されない場合、お手数ですが事務局046-256-4351までお電話ください。電話にて承認手続きを行わせていただきます。どうしても参加者名の確認がとれない場合、事務局の判断で参加者から削除することがあります。あらかじめご了解ください。
- 講演視聴時は、ミュートおよびビデオオフでご参加ください
- 画面共有中は、PC画面右肩の「表示」を、左右表示:ギャラリー、音声参加者を表示とし(プルダウン表示は「音声参加者を表示する」という状態にします)、会場1の画像右肩の「…」をクリックし「ピン」に設定します。するとギャラリーが会場1のみの表示になるので、再び「表示」を左右表示:ギャラリーに戻してください。そうすると、画面右側に会場1と会場2の画像が表示されます。
- 議論参加時は、「リアクション」から挙手、ミュートを解除して発言ください。可能な限りビデオオンでご発言お願いします
- 開催後、オンラインでの討論会は行いません
- 勉強会の講演や議論内容は後日オンデマンド配信するため録画させていただきます。開始直前からレコーディングを開始しております。あらかじめご了承ください。
- 演者の方へ。開催1週間前までに事務局に400字以内の抄録を提出してください。プレゼンデータには、研究会ロゴ、貴施設ロゴの双方をできるかぎり全てのスライドに埋め込んでください。著作権侵害防止のためです。研究会ロゴは演題決定時にメールで演者に送ります。有線LAN接続での演題発表をお願いします。無線LANでは発表中突然接続が切れることがあります。また、オンラインプレゼンテーションのため、動作をできるかぎり簡素化して演題中トラブル発生を最小限にしてください。例えば、画面切り替えなし、アニメーションは最小限にしてください。動画データはPPT埋め込みで可能ですが発表時間内で全体が収まる様にお願いします。会場で、18:30頃からリハーサルを行いますので、そのころに一度入室お願いします。レコーディングデータを作成しそれを演題発表する場合、事前配布資料をご参考にて作成ください。議論が終了するまで画面共有を続け、座長の指示にしたがって共有を停止してください。
会場参加の場合
- 非会員参加の場合、原則として事前申し込みをお願いします。8月3日(月)までに研究会事務局(jimu@verms.or.jp)にご連絡ください
- 今回の会場は定員15名までとなります
- ハイブリッド開催のため会場の様子を前方と後方からライブでビデオ撮影しておりますのであらかじめご了解ください
- 講演内容の録音、撮影、録画はご遠慮ください
- 会場内でZOOMミーティング視聴はお控えください
- ご質問やご意見は、会場マイクの前でマイクを口元1cmまで近づけてお話ください。発言ごとに「オンライン係聞こえますか?」と一言お願いして、オンライン側に音声状況を確認していただくようお願いします。
- 参加中に生じたゴミは責任もってご自身でお持ち帰りください
- 演者の方へ。開催1週間前までに事務局に400字以内の抄録を提出してください。プレゼンデータには、研究会ロゴ、貴施設ロゴの双方をできるかぎり全てのスライドに埋め込んでください。著作権侵害防止のためです。研究会ロゴは演題決定時にメールで演者に送ります。会場専用のWindows11ノートPCを用います。アプリケーションはMicrosoft Office 365(PowerPoint2021)を使用します。スライドサイズは16:9での作成を推奨します。フォントは日本語はMS Pゴシック、英数字はMS PゴシックかArial、Arial Black、Century、Times New Romenを使用してください。動画データはPPT埋め込みで可能ですが発表時間内で全体が収まる様にお願いします。スムーズなオンラインプレゼンを行うため、画面切り替えなし、アニメーションは最小限にしてください。プレゼンPPTデータは開催2日前までに事務局に提出してください。開催日までに事務局にて動作確認や文字調整を行います。当日18:00-18:45の間に会場にてご確認お願いします。当日会場での修正は受け付けられません。PCの持ち込みはできませんので予めご了解ください。レコーディングデータを作成しそれを演題発表する場合、事前配布資料をご参考にて作成ください。講演中はマイクを口元1cmまで近づけてお話ください。議論が終了するまで画面共有を続け、座長の指示にしたがって共有を停止してください。会場専用PCでは発表者ツールを使用できるように設定しております。
- 開催終了後、別会場で21:30-23:00まで懇親会を行います。懇親会参加希望の方は前日までに事務局にお知らせください。当日来場時に受付にて懇親会参加費3000円をお支払いくださるようお願いします。
第35回 犬・猫の呼吸器勉強会の案内
日時: 令和8年12月14日(月)19:00−21:00 (開場:18:45)
会場: ユニコムプラザさがみはら ミーティングルーム4 (最寄り駅:小田急線相模大野駅、徒歩3分)
ただしこれまで通りのオンライン開催も同時進行します(ハイブリッド開催)。会場参加定員は15名までとなります。
19:00-19:20 1 呼吸器ミニ講義 座長:飯田貴陽(赤塚犬猫病院)
犬・猫の呼吸器臨床研究会 犬の肺炎診療の標準プロトコール2027(20分)
城下 幸仁(犬・猫の呼吸器科)
19:25-20:10 2 招待講演 座長:上田一徳(横浜山手犬猫医療センター・葉山まほろば動物病院)
犬や猫の胸部CT検査中の呼吸管理(45分)
藤本 鉄兵 (日本大学動物病院麻酔科、ASAH獣医麻酔グループ所属・VAC代表)
20:15-20:55 3 症例報告・臨床研究 座長:山下智之(上大岡キルシェ動物医療センター)
1)慢性鼻炎を併発した猫の特発性片側喉頭麻痺に対し片側披裂軟骨外側化術を実施し、集中的な周術期気道管理を要した1例(20分)
明石 依里子(Ve.C ジャパン動物病院グループ自由が丘動物医療センター)
2)演題・演者未定 (20分)
演題募集中。2演題(各20分)まで。あと1演題受入可能です。演題タイトルの締切は11月14日(土)となります。演題名、発表者名、所属を事務局(jimu@verms.or.jp)に連絡ください。発表者は会員である必要がありますが、共同発表者はその限りではありません。募集要項は第34回と同様です。
