第27回 犬・猫の呼吸器勉強会
- 勉強会
第27回 犬・猫の呼吸器勉強会の案内
日時: 令和6年8月19日(月)19:00−21:00 (開場:18:45)
会場: ユニコムプラザさがみはら セミナールーム2 (最寄り駅:小田急線相模大野駅、徒歩3分)
ただしこれまで通りのオンライン開催も同時進行します(ハイブリッド開催)。会場参加定員は50名までとなります。定員を超えた場合、会場外でのオンライン参加をお願いします。
内容
19:00-19:20 1 呼吸器ミニ講義 座長:城下幸仁(犬・猫の呼吸器科)
血液ガス入門 Part Ⅳ 症例紹介(20分)
城下幸仁(犬・猫の呼吸器科)
動脈血ガス分析は、酸素化と酸塩基平衡障害を評価し、小動物臨床では唯一、無麻酔で実施可能な呼吸機能の定量的検査であり、呼吸評価のgold standardである。末梢静脈血の血液ガス値はおおまかな酸塩基平衡を把握する目的で主に救急分野で適用されている。肺の機能障害を示す呼吸不全という述語が動脈血酸素分圧 60 mm Hg未満と一義的に定義されるように、肺機能低下は低酸素血症で表現される。血液ガス分析は疾患を特定するものではないが、「肺がいかによく動いているか」という肺機能の包括的指標となる。呼吸器ミニ講義では、血液ガス入門として、呼吸機能と血液ガス、酸塩基平衡、サンプリング、症例の計4回にわたり、基本と適用時の注意事項について講義する。今回は、症例を提示する。
19:25-20:10 2 招待講演 座長:城下幸仁(犬・猫の呼吸器科)
テーマ:人医におけるアレルギー・好酸球研究の最新知見ー国内トップレベル研究者からー
国立病院機構相模原病院臨床研究センターは、国のアレルギー中心拠点病院であり、準ナショナルアレルギーセンターとして40年間以上診療と研究をしております。3回にわたり、私たち研究グループの日本トップレベルの研究者たちから臨床獣医師にお役に立ちそうな話題について講演いたします。国立病院機構相模原病院臨床研究センター センター長 谷口正美
一般的にダニや花粉などのアレルゲンは、すべてのヒトがなるべく回避したほうがよいものと捉えられているが、イヌ・ネコのアレルゲン曝露とヒトのアレルギー疾患との関係は、そこまで単純ではない。生後1年以内にネコを飼育しているヒトは、多量のアレルゲン曝露により免疫寛容が生じ、将来的なネコアレルギーの発症が少ないことが示されている。また、イヌやネコの飼育に関連する住環境の細菌学的な変化もアレルギー疾患発症に対して抑制的に働く可能性が指摘されている。一方で、すでにイヌやネコに対してIgE感作された喘息患者に対しては、可能な限りこれらのアレルゲンの曝露を回避することが推奨されている。近年、イヌ・ネコのアレルギーがヒトの食物アレルギーやアナフィラキシーにも関与していることが明らかになっている。本講演では、イヌ・ネコアレルギーの基本的な事項から最新の知見までご紹介させて頂く。
20:15-20:55 症例報告・臨床研究 座長:城下幸仁(犬・猫の呼吸器科)
1)ピレネー犬の好酸球性気管支肺症の1例 (20分)
上田 一徳(横浜山手犬猫医療センター・葉山まほろば動物病院)
犬の好酸球性気管支肺症は、主に気管支病変に着目した遷延性から慢性の好酸球性肺疾患であり、ヒトの好酸球性気管支炎と特発性慢性好酸球性肺炎が混合した病態である。3〜6歳の若齢犬で大型犬の発生が多く、経口または全身ステロイド療法に高い感受性を示す。症例はグレート・ピレニーズ、避妊メス、3歳、34.8kg。1ヶ月ほど前より1日数回の咳を主訴に当院を受診。胸部異常影、末梢血好酸球の著しい増加が認められ、犬・猫の呼吸器科に精査をお願いした。気管支鏡検査では頸部気管内と区域気管支内に黄白粘液塊があり、変性した多数の好酸球と好中球が認められ、BALF・気管支ブラシとも細菌は陰性であった。好酸球性気管支肺症と診断し、ステロイド療法を実施したところ、著明な咳の症状と末梢血の好酸球数が改善した。また、アレルゲン特異的IgE検査を実施したが原因の特定には至らなかった。本症例を経験し、気管支鏡検査とアレルギー検査を考察したい。
2)犬の慢性気管支炎を疑う症例にオクラシチニブ投与にて咳が改善した2例 (20分)
松田 岳人(くりの木動物病院)
犬の慢性気管支炎は、その病因特定が困難であり、少なくとも2か月以上継続する慢性咳を示す状態と定義され、進行すると慢性閉塞性肺疾患(COPD)を発症する。現在、人医療においてCOPDは慢性気管支炎や肺気腫の総称となっている。今回当院で治療中の犬の慢性気管支炎に対し、犬アトピー性皮膚炎治療薬であるオクラシチニブの投与により慢性咳が改善された症例を経験した。ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬であるオクラシチニブにはその作用機序より種々の炎症性サイトカインを抑制する効果が期待できる。ヒトでは気道における免疫細胞による炎症メカニズムやサイトカインの影響が解明されている。また種々の炎症性サイトカイン抑制による気道炎症やCOPDに対して期待できる治療効果が文献などで報告されている。そこで犬の慢性気管支炎治療におけるオクラシチニブのJAK阻害作用による気道炎症抑制効果の可能性を人医療における報告などを参考に考察した。
演題受付終了しました。演題募集中。2演題(各20分)まで。演題タイトルの締切は7月19日(金)となります。演題名、発表者名、所属を事務局(jimu@verms.or.jp)に連絡ください。発表者は会員である必要がありますが、共同発表者はその限りではありません。募集要項は以下の通りです。
1)症例報告:来院経緯、症状の動画データ、身体検査・血液検査・X線検査・透視検査・動脈血ガス分析などの一次検査所見、鑑別疾患リスト、CT検査、気管支鏡検査、鼻鏡検査、BALF解析や病理診断、確定診断、内科治療または外科治療、治療転帰、などの詳細データが全て揃っているもの。2)臨床研究:呼吸器学に関する知見。体裁は自由。他の学会や研究会で未発表ものとする。 1)2)とも発表10分、議論10分で合計20分。1回開催につき、1〜2演題とさせていただきます。演題やスライド資料は当サイト(会員限定コンテンツ内)で公開いたします。
用語や基準は書籍「一般臨床医のための犬と猫の呼吸器疾患」に従います。
1)症例報告:来院経緯、症状の動画データ、身体検査・血液検査・X線検査・透視検査・動脈血ガス分析などの一次検査所見、鑑別疾患リスト、CT検査、気管支鏡検査、鼻鏡検査、BALF解析や病理診断、確定診断、内科治療または外科治療、治療転帰、などの詳細データが全て揃っているもの。2)臨床研究:呼吸器学に関する知見。体裁は自由。他の学会や研究会で未発表ものとする。 1)2)とも発表10分、議論10分で合計20分。1回開催につき、1〜2演題とさせていただきます。演題やスライド資料は当サイト(会員限定コンテンツ内)で公開いたします。
用語や基準は書籍「一般臨床医のための犬と猫の呼吸器疾患」に従います。
連絡事項
オンライン参加の場合
- 非会員参加の場合、原則として事前申し込みをお願いします。8月12日(月)までに研究会事務局(jimu@verms.or.jp)にご連絡ください
- 開場は18:45となります。入室許可手続きがありますので入室自体はお早めにお願いします
- 入室時には、Zoom参加手順の注意事項210804に従い、Zoom-ミーティングに参加する-名前を漢字(例、城下幸仁)に書き換えてから「参加」ボタンを押してください
- 待機室入室後、3分以上たっても承認されない場合、お手数ですが事務局046-256-4351までお電話ください。電話にて承認手続きを行わせていただきます。どうしても参加者名の確認がとれない場合、事務局の判断で参加者から削除することがあります。あらかじめご了解ください。
- 講演視聴時は、ミュートおよびビデオオフでご参加ください
- 画面共有中は、PC画面右肩の「表示」を、左右表示:ギャラリー、音声参加者を非表示とし、会場1をピン設定します。するとギャラリーが会場1のみになるので、再び「表示」を左右表示:ギャラリーに戻してください
- 議論参加時は、「リアクション」から挙手、ミュートを解除して発言ください。可能な限りビデオオンでご発言お願いします。
- 開催後、オンラインでの討論会は行いません
- 勉強会の講演や議論内容は後日オンデマンド配信するため録画させていただきます。開催直前から録画開始させていただいております。あらかじめご了承ください。
- 演者の方へ。開催1週間前の8月12日までに事務局に400字以内の抄録を提出してください。プレゼンデータには、研究会ロゴ、貴施設ロゴの双方をできるかぎり全てのスライドに埋め込んでください。著作権侵害防止のためです。研究会ロゴは演題決定時にメールで演者に送ります。有線LAN接続での演題発表をお願いします。無線LANでは発表中突然接続が切れることがあります。また、オンラインプレゼンテーションのため、動作をできるかぎり簡素化して演題中トラブル発生を最小限にしてください。例えば、画面切り替えなし、アニメーションは最小限にしてください。動画データは埋め込みで3枚までにお願いします。会場で、18:30頃からリハーサルを行いますので、そのころに一度入室お願いします。レコーディングデータを作成しそれを演題発表する場合、事前配布資料をご参考にて作成ください。議論が終了するまで画面共有を続け、座長の指示にしたがって共有を停止してください。
会場参加の場合
- 非会員参加の場合、原則として事前申し込みをお願いします。8月12日(月)までに研究会事務局(jimu@verms.or.jp)にご連絡ください
- 今回の会場は定員50名までとなります。会場参加ご希望の方は事前に事務局までご連絡ください。
- ハイブリッド開催のため会場の様子を部分的に前方と後方からライブで撮影しておりますのであらかじめご了解ください
- 講演内容の録音、撮影、録画はご遠慮ください
- 会場内でZOOMミーティング視聴はお控えください
- ご質問やご意見は、会場マイクの前でマイクを口元1~2cmまで近づけてお話ください
- 参加中に生じたゴミは責任もってご自身でお持ち帰りください
- 演者の方へ。開催1週間前の8月12日までに事務局に400字以内の抄録を提出してください。プレゼンデータには、研究会ロゴ、貴施設ロゴの双方をできるかぎり全てのスライドに埋め込んでください。著作権侵害防止のためです。研究会ロゴは演題決定時にメールで演者に送ります。会場専用のWindows11ノートPCを用います。アプリケーションはMicrosoft Office 365(PowerPoint2021)を使用します。フォントは日本語はMS Pゴシック、英数字はMS PゴシックかArialかArial Blackを使用してください。動画データは埋め込みでお願いします。プレゼンPPTデータは開催2日前の8月17日(土)までに事務局に提出してください。当日18:00-18:45の間に会場にて直前にプレゼンの動作確認や文字調整をお願いします。スムーズなオンラインプレゼンを行うため、画面切り替えなし、アニメーションは最小限にしてください。動画データは埋め込みで3枚までにお願いします。PCの持ち込みはできませんので予めご了解ください。レコーディングデータを作成しそれを演題発表する場合、事前配布資料をご参考にて作成ください。講演中はマイクを口元1~2cmまで近づけてお話ください
- 開催終了後、別会場で21:30-23:00まで懇親会を行います。懇親会参加希望の方は前日までに事務局にお知らせください。当日来場時に受付にて懇親会参加費3000円をお支払いくださるようお願いします
第28回 犬・猫の呼吸器勉強会の予定
日時: 令和6年12月9日(月)19:00−21:00 (開場:18:45)
会場: ユニコムプラザさがみはら セミナールーム4 (最寄り駅:小田急線相模大野駅、徒歩3分)
ただしこれまで通りのオンライン開催も同時進行します(ハイブリッド開催)。会場参加定員は20名までとなります。定員を超えた場合、会場外でのオンライン参加をお願いします。
内容
19:00-20:10 執行委員企画
演題・演者未定
20:15-20:55 症例報告・臨床研究 座長:城下幸仁(犬・猫の呼吸器科)
1)演題・演者未定 (20分)
2)演題・演者未定 (20分)
演題募集中。2演題(各20分)まで。演題タイトルの締切は11月9日(土)となります。演題名、発表者名、所属を事務局(jimu@verms.or.jp)に連絡ください。発表者は会員である必要がありますが、共同発表者はその限りではありません。募集要項は以下の通りです。
1)症例報告:来院経緯、症状の動画データ、身体検査・血液検査・X線検査・透視検査・動脈血ガス分析などの一次検査所見、鑑別疾患リスト、CT検査、気管支鏡検査、鼻鏡検査、BALF解析や病理診断、確定診断、内科治療または外科治療、治療転帰、などの詳細データが全て揃っているもの。2)臨床研究:呼吸器学に関する知見。体裁は自由。他の学会や研究会で未発表ものとする。 1)2)とも発表10分、議論10分で合計20分。1回開催につき、1〜2演題とさせていただきます。演題やスライド資料は当サイト(会員限定コンテンツ内)で公開いたします。
用語や基準は書籍「一般臨床医のための犬と猫の呼吸器疾患」に従います。
連絡事項
前回と同様です