城下の論文がJ Vet Intern Medにアクセプトされました
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2023年5月6日に城下の論文がJ Vet Intern Medにアクセプトされました。
Shiroshita Y, Tanaka R, Shimizu M, et al. Cephalic and saphenous venous blood collected by continuous heating of the paws compared with arterial blood for measurement of blood gas values in well-perfused dogs. J Vet Intern Med 2023. DOI: 10.1111/jvim.16745
循環動態の安定した犬から、趾端加温法によってサフエナ静脈から採取したサンプルは、pH, PCO2, [HCO3-], Base Exsessについては動脈血サンプルと臨床目的にはほぼ同一であることを実験的に示しました。単純に末梢静脈血サンプルの血液ガス値は常に末梢組織の循環と代謝の影響を受け、動脈血サンプルに比べ測定値自体の信頼性が低く、正確な治療方針決定(clinical decision-making)を得るには不十分でした。この新しい方法による末梢静脈血サンプルは、術中・術後管理、腎不全や糖尿病性ケトアシドーシスの犬などの経時的酸塩基平衡の観察に動脈カテーテルや動脈穿刺を利用せずにclinical decision-makingに値する測定値が得られます。とくにサフエナ静脈からのサンプルは、セファリック静脈のものより優位に「動脈血化」される根拠を示し、獣医学で長らく目を伏されてきた末梢静脈血の「動脈血化」に関する初めての論文です。
今後、研究会で議論してきた成果も投稿していきたいと考えています。会員の皆様のご支援、ご協力をお願いします。
城下