U24 喉頭麻痺
- 喉頭の病気
病態と定義
喉頭麻痺とは、固有喉頭筋群を支配する反回喉頭神経の機能不全により、披裂軟骨、声帯ひだの正常運動が障害され、部分的気道閉塞が引き起こされた状態である(図1)。運動不耐性、興奮時の高調ストライダー(図2)を示し、病態進行により嗄声、咳嗽、レッチング/ギャギングを呈し、さらに続発的に誤嚥性肺炎や陰圧性肺水腫を引き起こした重症例においては吸気困難、高体温をみとめ、致死的な病態になりうる。先天性、後天性、後天性特発性に分類され、併発症状は異なる。
図1 喉頭の動き。A 正常安静時、B 吸気時に両側背側輪状披裂筋が収縮し披裂軟骨が外転し、声帯ひだが緊張している。このようにして喉頭で気道抵抗を最小限にしている(文献1-p319、Figure 41-1より引用)。