U05 急性鼻炎
- 鼻の病気
病態と定義
人医療において急性鼻副鼻腔炎は急性に発症し、発症から4週間以内の鼻副鼻腔の感染症で,鼻閉、鼻漏、後鼻漏、咳嗽といった呼吸器症状を呈し、頭痛、頬部痛、顔面圧迫感などを伴う疾患と定義されており1、獣医療において定義はないが、人医療同様に急性に発症(2週間以内)し、鼻腔の感染症で鼻閉、くしゃみ、鼻汁、呼吸困難といった呼吸器症状を呈する疾患と考えられている。人医療では急性鼻副鼻腔炎は日常臨床で極めて頻度の高い上気道感染症であり、慢性化する急性鼻副鼻腔炎が大きな問題となってきたことから、診療ガイドラインが作成され、臨床徴候の重症度に合わせて治療内容が変わっている1(図1)。獣医療においても同様に、急性鼻炎は感染症でありウイルス性であることが多く細菌感染は二次感染によって起こると言われている2。
図1 人医療ではスコアリングによって治療指針が異なる(文献1より引用)。獣医療に全てを外挿することはできないが、臨床徴候の重症度によって抗菌薬の使用や治療内容を変更すべきである。