SP23 動物における急性呼吸窮迫症候群
- 肺の病気
病態と定義
激しい炎症に伴い肺血管内皮および肺胞上皮が障害され透過性が亢進することにより、間質および肺胞内へ血漿成分が漏出して生じる非心原性肺水腫である。酸素化障害の主な原因は、肺内シャントとされているが、拡散障害や換気血流比不均等も関与している。また、間質の水腫やサーファクタント欠乏により肺コンプライアンスの低下や気道抵抗の上昇を引き起こし、肺高血圧症を合併することもある1,2。びまん性肺障害(diffuse alveolar damage;DAD)が主な病理所見であるが、白血球浸潤や硝子膜形成を特徴とする浸出期、Ⅱ型肺胞上皮細胞の増殖を特徴とする増殖期、膠原線維の線維化を特徴とする線維化期の3つの病期に分類されている1,2。