犬・猫の呼吸器病

L09 左心房拡大による左主気管支の圧迫

  • 気管支の病気

病態と定義

拡大した左心房が左主気管支を圧迫することにより、気管支の部分的な虚脱が生じたものである1,2。犬において左主気管支は左心房と後大動脈の間を通過している(図1A)。そのため、心拡大、特に左心房の拡大が顕著な症例では、左主気管支は左心房と後大動脈の間で圧迫され部分的に狭窄する(図1B,C)。この左主気管支に対する左心房の管外性圧迫は、咳受容体RARsを刺激し、中枢気道性咳を誘発する3

図1 犬の胸部造影CT画像。A:アキシャル像。左主気管支は左心房の直像に位置する。B:サジタル像。左心房は1-3時方向に拡大する。C:左心房の拡大が顕著な症例では、左主気管支は拡大した左心房(腹側)と大動脈(背側)により管外性圧迫を受けることで虚脱が生じる。LA:左心房、LV:左心室、RA:右心房、RV:右心室、Ao:大動脈、LPB:左主気管支、RPB:右主気管支、TC:気管

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