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第26回 犬・猫の呼吸器勉強会

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第26回 犬・猫の呼吸器勉強会のご案内

日時: 令和6年6月10日(月)19:00−21:00(開場:18:45)

会場:  ユニコムプラザさがみはら ミーティングルーム4 (最寄り駅:小田急線相模大野駅、徒歩3分)

ただしこれまで通りのオンライン開催も同時進行します(ハイブリッド開催)。会場参加定員は20名までとなります。定員を超えた場合、会場外でのオンライン参加をお願いします。会場参加予定の方は事前に事務局までご連絡ください。

内容

19:00-19:20 1 呼吸器ミニ講義   座長:上田一徳(横浜山手犬猫医療センター・葉山まほろば動物病院)

血液ガス入門 Part Ⅲサンプリング (20分) 配布資料

城下幸仁(犬・猫の呼吸器科)

動脈血ガス分析は、酸素化と酸塩基平衡障害を評価し、小動物臨床では唯一、無麻酔で実施可能な呼吸機能の定量的検査であり、呼吸評価のgold standardである。末梢静脈血の血液ガス値はおおまかな酸塩基平衡を把握する目的で主に救急分野で適用されている。肺の機能障害を示す呼吸不全という述語が動脈血酸素分圧 60 mm Hg未満と一義的に定義されるように、肺機能低下は低酸素血症で表現される。血液ガス分析は疾患を特定するものではないが、「肺がいかによく動いているか」という肺機能の包括的指標となる。呼吸器ミニ講義では、血液ガス入門として、呼吸機能と血液ガス、酸塩基平衡、サンプリング、症例の計4回にわたり、基本と適用時の注意事項について講義する。今回は、サンプリングについて簡潔に解説する。

19:25-20:10  2 執行委員企画  司会:菅沼鉄平(ほさか動物病院)、アドバイザー:城下幸仁(犬・猫の呼吸器科)
「私たちはこのように動脈血ガス分析をおこなっています」(45分)
菅沼鉄平(ほさか動物病院)、布川智範(ぬのかわ犬猫病院)、山下智之(上大岡キルシェ動物医療センター)

動脈血ガス分析について、検査機器から実際の採血など日々の疑問について執行委員3名の獣医師を中心に会場やオンライン参加の皆様と話し合いが出来るような企画を考えてみました。事前に会員の方にお答えいただいた動脈血ガス分析に関するアンケート結果をまとめ提示致します。具体的には実際に使用している動脈血ガス分析の器機や採血する際のサンプラーのメリットや注意点の比較、各先生方の検査の適応や合併症などについてまとめました。またご質問いただいた「採血時の体位や部位による違いは?」「検査時に体温補正をしていますか?」などについて論文、教科書的な内容も踏まえつつも臨床現場での実際について意見交換が出来ればと考えています。

20:15-20:55 3 症例報告・臨床研究  座長:上田一徳(横浜山手犬猫医療センター・葉山まほろば動物病院)

1)心肺疾患を有する犬の低酸素血症を検出するための覚醒時パルスオキシメーターの診断能力(20分)

合屋征二郎(日本大学生物資源科学部獣医学科 獣医放射線学研究室)

パルスオキシメトリーによる末梢酸素飽和度(SpO2)の測定は麻酔下での低酸素血症検出に用いられているが、覚醒犬におけるその診断能力の妥当性を調べた報告はほとんどない。本研究は、動脈血中酸素分圧(PaO2)と比較し、心肺疾患の犬の低酸素症に対する覚醒時SpO2の診断能力を調査することを目的とした。心肺疾患による低酸素症が疑われる犬の覚醒時SpO2とPaO2を立位あるいは座位にてルームエアーで測定した。SpO2は透過型パルスオキシメーターを使用し、脈波が5秒間安定した場合にその値を採用した。足背動脈から0.3 mL以上の動脈血を採取し、血液ガス分析装置を用いて体温補正PaO2を測定した。覚醒時SpO2およびPaO2の92対のデータは40匹の犬から得た。覚醒時SpO2およびPaO2の中央値はそれぞれ97%および66.6 mmHgであった。PaO2<80 mmHgを検出するための覚醒時SpO2<95%の感度35.7%、特異度100%、曲線下面積は0.72であった。覚醒時SpO2測定は心肺疾患のある犬の低酸素症を見逃すリスクがあることを本研究は明らかにした。

2)猫のブロンコレアに対し、三度の外科療法を試み長期生存した一例 (20分)

山下智之(上大岡キルシェ動物医療センター)

猫のブロンコレアは気道分泌過剰を示す症候群で湿性咳を呈し、間質性肺炎、特発性肺線維症、上皮性腫瘍などが背景病理とされる。ロシアンブルーに多く、ステロイド内服などで生存期間中央値361日だが、肺葉切除可能なら生存期間は有意に延長したと報告されている。症例はロシアンブルー、8歳、去勢オス。遷延性の湿性咳を主訴に受診し、各種検査にて右肺後葉発生の上皮系悪性腫瘍を疑い、右肺後葉切除を実施し咳は消失した。病理診断は類脂質性肺炎であった。第640病日に湿性咳が再発し、プレドニゾロン内服、肺内パーカッション換気療法にて良好に管理したが、徐々に悪化し、第914病日、左肺後葉切除を実施し、病理診断は特発性肺線維症であった。術後、同様管理にて経過良好であったが、再度悪化し、第1241病日に右肺前・中葉切除を実施したが、36時間後に死亡した。本症例を通し、摘出肺葉領域の限界、術中操作による健常葉への分泌物流入防止について考察する。

演題受付終了しました。次回開催での演題をお待ちしております。

1)症例報告:来院経緯、症状の動画データ、身体検査・血液検査・X線検査・透視検査・動脈血ガス分析などの一次検査所見、鑑別疾患リスト、CT検査、気管支鏡検査、鼻鏡検査、BALF解析や病理診断、確定診断、内科治療または外科治療、治療転帰、などの詳細データが全て揃っているもの。2)臨床研究:呼吸器学に関する知見。体裁は自由。他の学会や研究会で未発表ものとする。 1)2)とも発表10分、議論10分で合計20分。1回開催につき、1〜2演題とさせていただきます。演題やスライド資料は当サイト(会員限定コンテンツ内)で公開いたします。

用語や基準は書籍「一般臨床医のための犬と猫の呼吸器疾患」に従います。

連絡事項

オンライン参加の場合

  1. 非会員参加の場合、原則として事前申し込みをお願いします。6月3日(月)までに研究会事務局(jimu@verms.or.jp)にご連絡ください
  2. 開場は18:45となります。入室許可手続きがありますので入室自体はお早めにお願いします。
  3. 入室時には、Zoom参加手順の注意事項210804に従い、Zoom-ミーティングに参加する-名前を漢字(例、城下幸仁)に書き換えてから「参加」ボタンを押してください。
  4. 待機室入室後、3分以上たっても承認されない場合、お手数ですが事務局046-256-4351までお電話ください。電話にて承認手続きを行わせていただきます。
  5. 開催中、質問者は円滑な議論のためビデオオンでお願いします。
  6. 開催後、オンラインでの討論会は行いません
  7. 勉強会の講演や議論内容は後日オンデマンド配信するため録画させていただきます。あらかじめご了承ください。演者、座長以外はビデオオフにてご参加ください。
  8. 演者の方へ。開催1週間前の6月3日までに事務局に400字以内の抄録を提出してください。プレゼンデータには、研究会ロゴ、貴施設ロゴの双方をできるかぎり全てのスライドに埋め込んでください。著作権侵害防止のためです。研究会ロゴは演題決定時にメールで演者に送ります。有線LAN接続での演題発表をお願いします。無線LANでは発表中突然接続が切れることが生じることがあります。また、オンラインプレゼンテーションのため、動作をできるかぎり簡素化して演題中トラブル発生を最小限にしてください。例えば、画面切り替えなし、アニメーションは最小限にしてください。会場で、18:30頃からリハーサルを行いますので、そのころに一度入室お願いします。レコーディングデータを作成しそれを演題発表する場合、事前配布資料をご参考にて作成ください。

会場参加の場合

  1. 非会員参加の場合、原則として事前申し込みをお願いします。6月3日(月)までに研究会事務局(jimu@verms.or.jp)にご連絡ください
  2. 今回の会場は定員20名までとなります。当日会場参加ご希望の方は予め事務局(jimu@verms.or.jp)にご連絡ください。定員となり次第受付を終了いたします
  3. ハイブリッド開催のため会場の様子を部分的に前方からライブで撮影しておりますのであらかじめご了解ください
  4. 講演内容の録音、撮影、録画はご遠慮ください
  5. 参加中に生じたゴミは責任もってご自身でお持ち帰りください
  6. 開催終了後21:30から別会場で懇親会を開催します
  7. 演者の方へ。開催1週間前の6月3日までに事務局に400字以内の抄録を提出してください。プレゼンデータには、研究会ロゴ、貴施設ロゴの双方をできるかぎり全てのスライドに埋め込んでください。著作権侵害防止のためです。研究会ロゴは演題決定時にメールで演者に送ります。会場専用のWindows11ノートPCを用います。アプリケーションはMicrosoft Office 365(PowerPoint2021)を使用します。文字化けを防ぐため、フォントは日本語はMS Pゴシック、英数字はMS PゴシックかArialかArial Blackを使用してください。動画データは埋め込みでお願いします。プレゼンPPTデータは開催2日前の6月8日(土)までに事務局に提出してください。当日18:00-18:45の間に会場にて直前にプレゼンの動作確認や文字調整をお願いします。スムーズなオンラインプレゼンテーションを行うため、画面切り替えなし、アニメーションは最小限にしてください。万が一、会場のPCで動画が正常に動作しない場合を想定し、念の為ご自身のPCとプレゼンに関するデータをUSBメモリなどでご持参ください。その場合、演題はZOOMでPPTデータ共有して発表となりますので、そのPCでZOOM参加できるようにしてください。PCをプロジェクターに接続しません。レコーディングデータを作成しそれを演題発表する場合、事前配布資料をご参考にて作成ください。

第27回 犬・猫の呼吸器勉強会の予定

日時: 令和6年8月19日(月)19:00−21:00 (開場:18:45)

会場: ユニコムプラザさがみはら セミナールーム2 (最寄り駅:小田急線相模大野駅、徒歩3分)

ただしこれまで通りのオンライン開催も同時進行します(ハイブリッド開催)。会場参加定員は50名までとなります。定員を超えた場合、会場外でのオンライン参加をお願いします。

内容

19:00-19:20    呼吸器ミニ講義   座長:飯野亮太(いいのペットクリニック)

血液ガス入門 Part Ⅳ  症例紹介(20分)

城下幸仁(犬・猫の呼吸器科)

19:25-20:10    招待講演  座長:城下幸仁(犬・猫の呼吸器科)

テーマ:人医におけるアレルギー・好酸球研究の最新知見ー国内トップレベル研究者からー
国立病院機構相模原病院臨床研究センターは、国のアレルギー中心拠点病院であり、準ナショナルアレルギーセンターとして40年間以上診療と研究をしております。3回にわたり、私たち研究グループの日本トップレベルの研究者たちから臨床獣医師にお役に立ちそうな話題について講演いたします。   国立病院機構相模原病院臨床研究センター センター長 谷口正美
① ヒトにおけるイヌ・ネコアレルギー: Update(45分)
国立病院機構相模原病院臨床研究センター 臨床研究推進部長 福冨友馬先生

20:15-20:55    症例報告・臨床研究  座長:飯野亮太(いいのペットクリニック)

アレルギー性呼吸器疾患の演題を募集します。

1)演題・演者未定 (20分)

2)演題・演者未定 (20分)

演題募集中。2演題(各20分)まで。演題タイトルの締切は7月12日(金)となります。演題名、発表者名、所属を事務局(jimu@verms.or.jp)に連絡ください。発表者は会員である必要がありますが、共同発表者はその限りではありません。募集要項は以下の通りです。

1)症例報告:来院経緯、症状の動画データ、身体検査・血液検査・X線検査・透視検査・動脈血ガス分析などの一次検査所見、鑑別疾患リスト、CT検査、気管支鏡検査、鼻鏡検査、BALF解析や病理診断、確定診断、内科治療または外科治療、治療転帰、などの詳細データが全て揃っているもの。2)臨床研究:呼吸器学に関する知見。体裁は自由。他の学会や研究会で未発表ものとする。 1)2)とも発表10分、議論10分で合計20分。1回開催につき、1〜2演題とさせていただきます。演題やスライド資料は当サイト(会員限定コンテンツ内)で公開いたします。

用語や基準は書籍「一般臨床医のための犬と猫の呼吸器疾患」に従います。

連絡事項

前回と同様です

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