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第22回 犬・猫の呼吸器勉強会

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第22回 犬・猫の呼吸器勉強会

日時: 令和5年10月9日(月)21:00−23:00

会場: オンライン開催

内容

1 呼吸器ミニ講義   座長:上田一徳(横浜山手犬猫医療センター)

犬の細菌性肺炎疑いに対する抗菌剤の慎重使用について −農水省発行「愛玩動物における抗菌薬の慎重使用の手引き2020」に対し、臨床医の正義はどこで守られるか?−(15分)

城下幸仁(犬・猫の呼吸器科)

抗菌薬の過剰使用によって薬剤耐性菌が世界的に増加する一方、新たな抗菌薬の開発は減少傾向にあり、これは世界的脅威と認識され、国際社会で大きな課題となっている[厚生労働省:薬剤耐性(AMR)対策について]。また、人の重症細菌性肺炎患者において適正な抗菌薬療法を行った場合と比較して、不適正な初回経験的抗菌薬療法は合併症、死亡率、入院期間を有意に増加させたという。獣医療では、2017年に国際コンパニオンアニマル感染症学会(www.iscaid.org)にて犬・猫の呼吸器細菌感染症治療に対する抗菌薬使用に関するガイドライン[Lappin MR, et al. JVIM, 2017]が作成され、本邦でも2020年に農林水産省から「愛玩動物における抗菌薬の慎重使用の手引き2020」によって臨床獣医師に対し抗菌薬の使用制限について注意喚起された。今回のミニ講義では、人医分野のガイドラインや近年の獣医学文献情報をもとに、とくに犬の細菌性肺炎を疑う症例に遭遇したときの抗菌薬の適正使用について考えてみた。

2 研究班報告(LTBS班)  座長:城下幸仁(犬・猫の呼吸器科)

犬・猫の気道異物について文献レビュー(45分)

菅沼鉄平(ほさか動物病院)

気道異物とは気道内にとどまってしまった外来性異物のことである。気道異物は気道を閉塞し、窒息や炎症を引き起こすこともあるため速やかな摘出が要求される。今回、気道の中でも気管~気管支における異物に関する過去の文献をレビューし、疫学、症状、診断、内視鏡(所見、BAL、培養検査、異物除去成功率、合併症)、治療についてまとめた。日本国内での獣医療における気道異物の報告はほとんどなく、気道異物症例に遭遇した際の診断治療の一助になればと考えている。

3 症例報告・臨床研究  座長:上田一徳(横浜山手犬猫医療センター)

軟性気管支鏡で摘出した気管内異物3例 (20分)
城下幸仁(犬・猫の呼吸器科)

症例1:雑種猫、7歳、メス、体重2.90kg。主訴は急性呼吸困難および気管内塊状陰影。気管をほぼ閉塞する黄色調の固い異物を確認しキュレットにて摘出した。異物は直径10mmの家庭栽培用のオアシスの一部であった。 症例2:雑種猫、13歳、メス、体重3.22kg。主訴は急性の喘鳴および気管内塊状陰影。気管内に大きな棘のある固い異物を確認し把持鉗子にて摘出した。異物は魚骨の一部であった。 症例3:シェパード、6ヶ月齢、メス、体重25kg。主訴は前日にナツメの実を誤飲後、呼吸困難となり意識消失し、気道異物疑い。気管支鏡検査にて右主気管支に異物が嵌入していた。キュレットで掻き出し、気管内に移動後、バスケット鉗子で把持して回収した。3例とも、軟性気管支鏡にて迅速かつ低侵襲に気道異物回収可能であり、処置後呼吸状態は著明に改善した。

 

演題募集終了しました。次回勉強会での演題をお待ちしております。

連絡事項

  1. 非会員参加の場合、原則として事前申し込みをお願いします。10月5日までに研究会事務局(jimu@verms.or.jp)にご連絡ください
  2. 開場は20:30となります。入室許可手続きがありますので入室自体はお早めにお願いします。
  3. 入室時には、Zoom参加手順の注意事項210804に従い、Zoom-ミーティングに参加する-名前を漢字(例、城下幸仁)に書き換えてから「参加」ボタンを押してください。
  4. 待機室入室後、3分以上たっても承認されない場合、お手数ですが事務局046-256-4351までお電話ください。電話にて承認手続きを行わせていただきます。
  5. 各講演内容は研究会会員にYou Tubeにて限定公開いたします。その中のコメントを介し質疑応答可能です。
  6. 開催中、質問者は円滑な議論のためビデオオンでお願いします。
  7. 閉会後、同一会場にて23:15から歓談や飲食しながら討論会を60分程度設けます。参加や退出のタイミング自由です。症例相談があればデータ提示をお願いします。
  8. 勉強会の講演や議論内容は後日オンデマンド配信するため録画させていただきます。あらかじめご了承ください。演者、座長以外はビデオオフにてご参加ください。

 

第23回 犬・猫の呼吸器勉強会の予定

日時: 令和5年12月11日(月)21:00−23:00

会場: オンライン開催(予定)

内容

1 呼吸器ミニ講義   座長:城下幸仁(犬・猫の呼吸器科)

内容、演者未定 (15分)

2 研究班報告(診療基準班)  座長:城下幸仁(犬・猫の呼吸器科)

獣医領域における超音波式ネブライザーの活用について(45分)

中森正也(乙訓どうぶつ病院、京都動物医療センター)

3 症例報告・臨床研究  座長:上田一徳(横浜山手犬猫医療センター)

演題募集中。2演題(各20分)まで。演題タイトルの締切は11月11日(土)となります。演題名、発表者名、所属を事務局(jimu@verms.or.jp)に連絡ください。発表者は会員である必要がありますが、共同発表者はその限りではありません。募集要項は以下の通りです。

1)症例報告:来院経緯、症状の動画データ、身体検査・血液検査・X線検査・透視検査・動脈血ガス分析などの一次検査所見、鑑別疾患リスト、CT検査、気管支鏡検査、鼻鏡検査、BALF解析や病理診断、確定診断、内科治療または外科治療、治療転帰、などの詳細データが全て揃っているもの。2)臨床研究:呼吸器学に関する知見。体裁は自由。他の学会や研究会で未発表ものとする。 1)2)とも発表10分、議論10分で合計20分。1回開催につき、1〜2演題とさせていただきます。演題やスライド資料は当サイト(会員限定コンテンツ内)で公開いたします。

用語や基準は書籍「一般臨床医のための犬と猫の呼吸器疾患」に従います。

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