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第3回年次大会2022の開催案内

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第3回年次大会2022の開催案内

日時:令和4年8月16日(火)9:00−17:00 (1日開催)

開催方法:オンライン開催、開催後オンデマンド配信 3ヶ月(〜2022年11月30日まで)

参加登録方法:当日参加受付は終了しました。オンデマンド配信について8/23(火)より開始します。

おかげさまで当日オンライン開催は大盛況で終了いたしました。

オンデマンド配信参加登録はこちらからお願いいたします

参加費:会員5000円、非会員7000円(オンデマンド参加登録のみも同様です)

年次大会へのご質問は、当研究会事務局(jimu@verms.jp)まで

内容

テーマ 「呼吸器の対症療法を見直そう」

8:55 開会あいさつ 城下幸仁(犬・猫の呼吸器科)

9:00-12:00 Ⅰ 総論  座長:飯野亮太(いいのペットクリニック)

体重管理、ネブライザー療法、在宅酸素療法、IPV療法についての文献レビューと実践について

城下幸仁(犬・猫の呼吸器科)

40分講義(ライブ)+10分質疑応答(ライブ)X3コマ

日常何気なく行っている呼吸器症状に対する対症療法について、獣医学におけるエビデンスや研究会内議論歴や症例経験から、意義、適応と禁忌、方法を見直します。とくに、体重管理では肥満の定義・BCSとMCS・減量で呼吸器の何が変わるのか・何%の減量が有効か・肥満関連呼吸器疾患・死に関連する肥満、ネブライザー療法ではエアロゾル粒子径・気道到達率・配合する薬剤の要件・調合薬の配合変化/総量/濃度/至適pH・噴霧時間・ジェット式か超音波式か・ケージかフローバイか、在宅酸素療法では在宅用酸素ケージの特異性・Ⅱ型呼吸不全への適用時の注意・処方までの手順・適応症と生存期間、IPV (Intrapulmonary Percussive Ventilation;肺内パーカッション換気)療法では装置の仕組み・無気肺や粘液停滞を治療する機序・「未熟児から成人高齢者まで応用可能」の理由、に焦点を当てます。日頃行っている治療法を再検討してください。

13:00−13:50 Ⅱ 招待講演 座長:山谷吉樹(日本大学  獣医麻酔・呼吸器学研究室)

ステロイドの呼吸器に対する効果とは? 基礎から臨床医に伝えたいこと

折戸謙介(麻布大学獣医学部生理学第二研究室)

40分講義+10分質疑応答(ライブ)

獣医療で最もよく使用されているステロイド(グルココルチコイド製剤)は、細胞膜を通過して細胞内で受容体複合体を形成、核内に移行し転写調節因子として様々な遺伝子発現を制御している。生成されるタンパクが生理作用を発揮するが、タンパク生成に要する時間は最短でも30分で、数時間から数日の場合もある。しかし、例えばアレルギーに対してステロイドが効果を発揮するのは数分以内である。この作用は、遺伝子発現制御とは一線を画する「ステロイドのnongenomic作用」である。気管支に対しては、アドレナリンやアドレナリンβ2作動薬の作用を増強する、いわゆる「ステロイドの許容作用」にて気管支平滑筋拡張作用を発揮する。本講義では、粘膜輸送能などの生体に対する作用を含め、ステロイドの呼吸器に関連する特徴的な薬理作用について話題提供する。

14:00−15:00 Ⅲ 症例報告・臨床研究 座長:上田一徳(横浜山手犬猫医療センター)

各演題15分発表(録画)+10分質疑応答(ライブ)

1)Filaroides属肺虫症により慢性咳と肺過膨張を呈した若齢犬の1例

飯野 亮太(いいのペットクリニック)

1歳1ヵ月齢、雌のトイ・プードルが2ヵ月間持続する慢性の咳、呼吸困難により当院を受診した。胸部X線検査にて左全肺野の透過性亢進、横隔膜の平坦化、心臓の右側変位を認めたため先天性肺気腫を疑った。数日後、呼吸状態が悪化し両側性肺過膨張所見を呈した。内科療法にて呼吸状態および過膨張肺は改善されたため、左肺切除術を行い、病理組織検査にて広範囲の無気肺とともに肺胞管および肺実質内に複数の線虫が確認された。術後、駆虫薬投与を行い、咳は消失、呼吸状態も正常化した。無気肺の主な原因は肺虫による肺胞管閉塞によると思われたが、肺過膨張の明らかな原因は不明であり、細気管支への浸出物、末梢気道における寄生虫性肺炎の影響とともに気管支痙攣の関与も疑われた。通常、Filaroides属肺虫症は若齢動物に肺野浸潤影や間質影を伴い咳や呼吸困難を引き起こすが、肺過膨張を呈した稀な例を経験した。

2)猫の慢性鼻汁に対するネブライザー療法の効果

中森正也(乙訓どうぶつ病院)

背景:獣医学でネブライザー療法の効果を示した報告は少ない。目的:猫の慢性鼻汁にネブライザー療法の効果を評価する。デザイン:単施設前向き臨床研究。材料と方法:2020年から当施設にて猫で慢性鼻汁を呈し、内科治療による改善が少なくとも2ヶ月以上認められず、X線、透視、CTおよび内視鏡検査全てを行なった症例を収集した。ネブライザー療法は超音波式を用い生理食塩水20mlにゲンタマイシン0.5ml、ブロムヘキシン0.5~1.0ml、アドレナリン液0.5mlを混じ1回15分間行った。各症例は2, 4, 12, 24週目の鼻症状のVAS(Visual analog scale)およびQOL改善を5段階で評価した。結果:10例(慢性鼻炎6、鼻腔内腫瘍2、鼻咽頭狭窄2)が取込まれた。鼻症状スコアは吸入開始12週まで有意な減少を認め、QOLスコアは3.3だった。考察:猫の慢性鼻汁にネブライザー療法は効果あり。

15:30−16:50 Ⅳ 症例相談 座長:城下幸仁(犬・猫の呼吸器科)

演題発表10分(録画)-アドバイザー(山谷、青木、三井、城下)
からの質問回答5-10分-会場ディスカッション5-10分

1)鼻咽頭腫瘤が認められた猫の3例

菅沼鉄平(ほさか動物病院)

スターターや鼻汁を呈し、X線検査や透視検査にて鼻腔から鼻咽頭の閉塞を疑う所見(呼気時咽頭拡張・吸気時動的咽頭虚脱)が認められた猫の3例(症例1:雑種去勢雄6歳、症例2:スコティッシュフォールド去勢雄11歳、症例3:スコティッシュフォールド去勢雄11歳)に後部鼻鏡検査を実施した。3例とも鼻咽頭腫瘤性病変を認め、病理組織学的検査にてリンパ腫(確定1例、可能性2例)と診断された。症例1は化学療法に反応するが数日で症状が再発したため放射線治療にて寛解し第82病日を経過中、症例2は治療を希望されず第6病日に安楽死、症例3はLアスパラギナーゼ、プレドニゾロンの治療に初期は反応したが徐々に病状が進行し第75病日に死亡した。鼻咽頭腫瘤性病変を示す猫における診断、治療について特に①病理診断確定までの初期治療、②内視鏡による検査時のポイントや注意点について相談したい。

2)慢性咳を示すがBALF細胞診で特異的所見を示さず猫の気管支疾患と診断した2例

明石依里子(Ve.C ジャパン動物病院グループ自由が丘動物医療センター)

症例1:雑種猫、去勢雄、10歳。6ヶ月前から慢性咳。胸部X線検査で特異所見認めず、CT検査では軽度の気管支パターンが肺野全域において認められた。BALF解析にて細菌培養陰性、好酸球、リンパ球、好中球増加なし。猫の気管支疾患と診断しステロイド吸入にて第65病日で経過良好。症例2:ロシアンブルー、避妊雌、10歳。PaO2 82.1 mm Hg。幼少時より慢性咳、1ヶ月前より増加。胸部X線およびCT検査にて気道中心に多発性に巣状陰影あり。BALF解析にて細菌培養陰性、好酸球、リンパ球、好中球増加なし。猫の気管支疾患と暫定診断し、ステロイド内服にて第44病日に症状改善したが肺野異常影は残存していた。慢性咳を示す猫で、BALF解析にて細菌培養陰性、細胞診に特異所見を示さない場合の診療の進め方について相談したい。

3)胸部X線検査にて肺門リンパ節腫大と間質性肺疾患が疑診された動静脈ろうの犬の1例

岩﨑健太郎(麻布大学 小動物外科学研究室)

症例は14歳、避妊雌のボーダーコリー、体重18.35 kgであり、来院7か月前からふらつきと呼吸数増加を認め、近医にて肺炎と診断された。1か月前に興奮後に虚脱状態となり、肺野の不透過性亢進から再び肺炎と診断された。犬・猫の呼吸器科に上診したところ、呼吸器の臨床徴候なく、動脈血ガス分析でも異常を認めなかったが、胸部X線検査にて間質性肺疾患と肺門リンパ節腫大が疑われた。しかし、CT検査で肺門リンパ節腫大は認められず、異常血管による肺動脈への短絡と瘤状の拡張と蛇行を認めたため、当院に紹介来院した。心エコー検査にて拡張した肺動脈への短絡血流(最大血流速度:2.64 m/sec)から動静脈ろうと診断したが、肺高血圧症は認められなかった。当院来院時には咳があったことから、神経調節性失神による虚脱と考えた。本症例での読影法、咳の原因・病態に関して相談したい。

17:00 閉会あいさつ

*開催中質問受付コーナーをつくり終日チャットで対応

開催後17:30−18:30 自由参加で同一会場にて、症例相談、質疑応答、討論会など

1)症例報告:来院経緯、症状の動画データ、身体検査・血液検査・X線検査・透視検査・動脈血ガス分析などの一次検査所見、鑑別疾患リスト、CT検査、気管支鏡検査、鼻鏡検査、BALF解析や病理診断、確定診断、内科治療または外科治療、治療転帰(治療後少なくとも2ヶ月経過、できれば6ヶ月以上の経過観察あり)、などの詳細データが全て揃っているもの。隔月開催の犬・猫の呼吸器勉強会で演題発表されているものから選択します。2)症例相談:確定診断には至っていないが、本研究会で相談したい症例。用語や基準は、書籍「一般臨床医のための犬と猫の呼吸器疾患」に従ってください。

発表者は400字以内の抄録を6月30日まで、演題概要(ppt配布資料PDF)は7月15日までに提出をお願いします。演題発表者には参加費全額免除とし、研究会より症例報告には厳正な審査を通じて最優秀賞と優秀賞の表彰状授与、症例相談には感謝状を贈呈いたします。

注意事項

1) 大会登録手続きは当日視聴で使用するデバイス(PC、ノートPC、iPad、スマートフォンなど)で行なってください

2) 添付の手順書にしたがい、Zoomのインストールと、アカウント名の変更の設定を必ずお願いします。アカウント名が登録者名と一致していないと、当日入室承認されませんので、十分お気をつけてください

3) 当日参加手続き方法は、参加登録費の決済後の自動返信メールに記載されています

4) 一度納入された参加費は、理由の如何に関わらず返金はできません。あらかじめご了承ください

5) 当日のライブ開催では、ネットワーク環境はPCかノートPCでの有線LANでの参加を推奨します。Wi-Fiご使用の場合、ネットワークが不安定になり画像や音声が途切れることがありますので、ご了承ください

6) 質疑応答時に外部の音声の混入等を防ぐため、ヘッドセットやマイク付きイヤホンのご使用を推奨いたします

7) オンライン開催中の無断録画や撮影などは一切禁止しております

8)   一度退出されると、再入室できません。退出は17:00以降でお願いします

9)   開催中の緊急連絡先は、046-256-4351 (犬・猫の呼吸器科 事務局)となります

10)  8月16日当日は、8:30より入室可、8:45に参加前説明を行いますのでご着席お願いします

11)参加登録費払済みの方には当日参加の有無に関わらず、各演題の配布資料PDFダウンロードと動画をオンデマンドで視聴できます

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