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第12回 犬・猫の呼吸器勉強会

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第12回 犬・猫の呼吸器勉強会

日時: 令和3年10月11日(月)21:00−23:00

会場: オンライン開催(ミーティング情報は、研究会HPの会員情報照会・更新を参照ください

内容

1 呼吸器総論 21:00~21:20

犬・猫の呼吸器疾患へのアプローチⅢ 身体検査(視診、聴診、触診、打診)

城下 幸仁(犬・猫の呼吸器科)15分

7年以上呼吸器専門診療を継続してきた経験に準じて作成した犬・猫の呼吸器科の診療データベースのシートを用い、麻酔を行わない一次検査の手順による診断アプローチを紹介し、今後当研究会での呼吸器診療の診療基準の試案を検討していく。前回に引き続き、身体検査(視診、聴診、触診、打診)の手順について紹介する。今回は、日中傾眠の症状、睡眠呼吸障害を引き起こす代表的疾患について紹介する。

 

2 研究班報告 (FDLD班)21:30~22:15

気道分泌物過剰に対するステロイドの効果について-“猫のブロンコレアにステロイドは有効”の根拠はどこにあるのか?-

山下 弘太(ダクタリ動物病院東京医療センター)15分

「猫のブロンコレア」は気道分泌過剰を特徴とする猫の慢性呼吸器疾患の一徴候であり、2019年に当研究会グループにより初めて報告された。臨床像についての現在の知見は、湿性咳、努力呼吸、ゴロゴロ音などの慢性呼吸器徴候と、2か月以上残存する肺野浸潤影や間質影、中枢気道に生じる低粘稠度、多量の喀痰である。不安定な臨床経過を示すことから病態の解明が必要であるが、研究過程にあり小動物での情報は筆者の知る限りない。ヒトの情報に従ったステロイド治療は、臨床経験から有効な手段となりうるが、猫での適応については検討しなおす必要がある。そこで、ステロイドの気道分泌過剰に対する抑制効果について文献調査を行い、猫のブロンコレアに対するステロイド使用の妥当性について考察した。

招待アドバイザー解説:折戸 謙介先生(麻布大学獣医学部生理学第二研究室)20分

 

3 症例報告・臨床研究 22:20〜22:50

鼻咽頭狭窄、気管狭窄、下気道感染症、肺野多発結節影を同時発症した猫の1例

城下 幸仁(犬・猫の呼吸器科)15分

11歳、避妊メスの雑種猫が、3年前から慢性呼吸困難と異常呼吸音と慢性咳と肺野結節影あり内科療法で改善せず、3日前に食欲低下し精査加療のため当院呼吸器科受診。若齢時より慢性鼻炎あり。初診時、両相性高調異常呼吸音とゼロゼロ音あり、精査にてFHV-1キャリア、鼻咽頭狭窄、気管狭窄、マイコプラズマによる下気道感染症、左肺野に2つの結節影を確認した。第1、14、43病日に鼻咽頭バルーン拡張術にて呼吸困難と異常呼吸音は消失、他は対症療法で管理した。その後、再度CT検査および気管支鏡検査にて経気管支肺生検を試みるも診断に至らず、第134病日に左肺後葉切除術と左肺前葉部分切除術にてそれぞれリポイド肺炎と肺腺癌と診断した。第224病日、ネブライザー療法のみ実施し、咳は消失し、飼い主評価は「ほぼ改善(4/5)」で転帰良好であった。呼吸器3区分とも同時に疾患が生じ、診断および治療について議論したい。

 

症例報告・臨床研究の演題締切りは9月11日となります。演題は締め切りとなりました。次回の応募をお待ちしております。

演題名、発表者名、所属を事務局(jimu@verms.jp)に連絡ください。発表者は会員である必要がありますが、共同発表者はその限りではありません。募集要項は以下の通りです。

1)症例報告:来院経緯、症状の動画データ、身体検査・血液検査・X線検査・透視検査・動脈血ガス分析などの一次検査所見、鑑別疾患リスト、CT検査、気管支鏡検査、鼻鏡検査、BALF解析や病理診断、確定診断、内科治療または外科治療、治療転帰、などの詳細データが全て揃っているもの。2)臨床研究:呼吸器学に関する知見。体裁は自由。他の学会で発表したものでもよいです。 1)2)とも発表10分、議論10分。1回開催につき、1〜2演題とさせていただきます。演題やスライド資料は当サイトで公開いたします。

用語や基準は書籍「一般臨床医のための犬と猫の呼吸器疾患」に従います。または、第1回年次大会での以下の講義に従ってください。犬猫の呼吸器疾患へのアプローチ-問診からX線検査までの診療指針  動画は*診療指針Ⅰ診療指針Ⅱ診療指針Ⅲ

参加費: 研究会会員は無料。非会員は事前登録・事前振込3,000円(開催4日前までに振込完了)。非会員の方はオンラインミーティングの招待メールを事前に送信します。

連絡事項

  1. 非会員参加の場合、原則として事前申し込みをお願いします。10月4日までに研究会事務局(jimu@verms.jp)にご連絡ください
  2. 開場は20:30となります。入室許可手続きがありますので入室自体はお早めにお願いします。
  3. 待機室入室後、3分以上たっても承認されない場合、お手数ですが事務局046-256-4351までお電話ください。電話にて承認手続きを行わせていただきます。
  4. 各講演内容は研究会会員にYou Tubeにて限定公開いたします。その中のコメントを介し質疑応答可能です。
  5. 開催中、参加者はビデオオンでお願いします。とくに質問者は円滑な議論のためビデオオンでお願いします。
  6. 閉会後、同一会場にて23:15から歓談や飲食しながら討論会を60分程度設けます。参加や退出のタイミング自由です。症例相談があればデータ提示をお願いします。

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